奈良県警橿原署は9日、橿原神宮(奈良県橿原市)の外拝殿(げはいでん)の柱に、とがったもので削られたような傷が見つかったと発表した。器物損壊容疑で捜査している。 同署によると、8日午後6時20分ごろ、神宮職員が外拝殿の木製の柱が刃物のようなもので削られているのを発見した。傷跡は横約15センチ、縦約50センチにわたり、漢字4文字の人名のようにも見えるという。 外拝殿は昭和14年に完成した入り母屋造りの拝殿。文化財には指定されていない。同署は、神宮の防犯カメラを分析するなどして調べている。 全国各地の寺社では、今月1日以降、油のような液体をかけられるなどの被害が、世界遺産の下鴨神社(京都市左京区)や金峯山寺(きんぷせんじ)本堂(奈良県吉野町)、首里城(那覇市)などでも確認されている。警察当局は宗教施設を標的にした犯行の可能性のほか、反日的な思想が背景にある疑いもあるとみて、液体の成分の分析などを