最近はなんだか日付の感覚がおかしくなり、月日の流れがやたらに早く感じると思ったら実際には2、3日しかたっていなかったり、そうかと思えばあっという間に一週間ならばともかく一月近くも経っていたりしていてこれは何ぞと驚いたりと、これはあれか、何かの異常か主に精神のと思うもそんなこともないようで、ただたんにぼんやりと生きているだけだからのようだ。 そういえば書店の店頭で蜂飼耳の新刊『秘密のおこない』を見つけて狂喜して買ったのは、京都は百万遍の知恩寺の古本市にいった前だったか後だったかも覚えていないのだけど『秘密のおこない』は素晴らしかった。一行目を読んだだけで陶然とする。「日が落ちて訪れた闇に、闇そのものがまだ慣れずにいるような時刻」(「闇の結晶」)とか。ああ、いい。彼女の文章を読んでいると身体の奥深いところをそっと撫でられているような、もうそれは本当に身体的な快楽を覚えてしまう。句読点の打ち方一