また、国内銀行のストック・総合は0.932%で、前月から0.008%ポイント低下した<図2>。今よりも金利が高い頃に実行された貸し出しが満期を迎えると、そのうち借り換えられる部分については、競争が厳しいこともあって、足元の低い金利水準が適用されるのが普通だろう。大まかに言うと、日本では資金を借り入れたい需要側の数・金額よりも、資金を貸したい金融機関の数・資金量の方が、はるかに多い状況である。 したがって、たとえ資金調達原価とみられる水準(長い間大まかに1%前後とされてきた)を下回っても、ストックの貸出約定金利はじわじわ下がっていく。ストック商売が基本の銀行業にとって、時間の経過とともに利ざやが着実に縮小していくというのは、実に重苦しい話である。 マイナス金利は主犯ではない こうした状況下、市場の内外でしばしば聞かれるのが、銀行収益悪化は日銀が導入したマイナス金利のせいだとする「マイナス金利
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