俳優でタレントの渡辺徹さんが11月28日、敗血症のため61歳で死去した。あまりにも早すぎる旅立ちを受け、多くの人たちに悲しみが広がった。その渡辺さんは将棋を愛好した。あるテレビ番組では、将棋の魅力について熱弁をふるったものだ。 2014年には日本将棋連盟から「将棋親善大使」を委嘱された。田丸昇九段は以前に将棋雑誌の企画で、渡辺さんを取材したことがあった。渡辺さんが語った将棋への熱い思いやエピソードを紹介する。 ◇ ◇ ◇ 渡辺徹さんは1961年の生まれで、茨城県古河市の出身。少年時代はサッカーに熱中した。高校1年のとき、老人ホームを慰問していた地元のアマ劇団の公演で大道具を手伝った。やがて、ある時代劇に出演することになった。つたない演技ながらお年寄りは泣き笑いしてくれ、大きな拍手をもらって新鮮な感動を受けたという。高校卒業を控えて進路を決めるときには、当時のことを思い出した。そして大学進学