遠未来の宇宙で、復古的に封建制を復活させた帝国と、それに反抗して民主制を復元している同盟。それらが正当性を主張して戦うSF戦記『銀河英雄伝説』。 それをProduction I.G制作でアニメ化した多田俊介監督版『銀河英雄伝説 Die Neue These』*1が先日話題になっていたが、見ていて不満や疑問に思うところは私も少なくない*2。 まず新作は、メインキャラクターデザインなどのキービジュアルは美形に整えているようで、意外と1980年代にアニメ化された旧作版*3のイメージと違いがない。 たとえば主人公のひとりヤン・ウェンリー。歴史学者になりたい文人で、高級軍人としては長髪の、はみ出し者なキャラクターだ。新旧で絵柄こそ異なるが、記号的な変化はほとんどない。 古くからのファンが多いシリーズ新作で導入を旧作に近づける判断もわかるが、あらためて原作小説から再映像化した差分を印象づけてほしかった
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