韓国で日本統治時代を題材にした映画が次々に公開され、ヒットしている。その一つで「軍艦島」よりも1カ月早く公開された「朴烈(パクヨル)」は、関東大震災の直後、皇室暗殺を企てたとして大逆罪に問われた無政府主義者の朝鮮人と、その相方だった日本人女性の愛を描いた異色作で、観客動員数は約230万人に達した。なぜこの時代の映画が増えているのか。歴史を題材にした映画で、創作はどこまで許されるのか。「朴烈」のイ・ジュンイク監督に聞いた。 ◇ ――2015年夏以降、「暗殺」「鬼郷」「徳恵翁主」「軍艦島」(いずれも原題)など植民地時代を題材にした韓国映画の公開が相次いでいます。なぜでしょうか。 「韓国は植民地時代の傷をいまだに整理できていないからだ。日本は明治維新を経て主体的に近代化を遂げたが、韓国は日本帝国主義によって受け身の近代化を余儀なくされた。戦後も長く経済的に日本に従属した。戦後70年経って戦後世代