楽天が7月に電子書籍端末「コボタッチ」を発売し、アマゾンも「キンドル」の近日発売を予定するなど、いよいよ本格普及の兆しを見せている電子書籍。出版社では実際、どうやって作られているのだろう。急ピッチで加速する制作現場を取材した。(川村律文) 6月から紙の書籍と電子書籍の「同時刊行」を掲げる講談社。毎月130~150点出す新刊のうち、児童書や絵本を除き、著者から許諾を得られた約50点を電子化。既刊本も月約50点ずつ電子化するため、毎月約100点の電子書籍を制作していることになる。 紙の本を作る作業もほとんど電子化されているため、著者の校正や校閲作業を終えた印刷用データを電子書籍用に変換するところから作業が始まる。実際の現場を見学させてもらったが、担当者はパソコン画面に表示された本文をほとんど読まずに、ルビが正しくふられ、改行が正しく行われているかなど、誤変換されやすい点を素早くチェックしていく