米アップル社のタブレット型コンピューター「iPad(アイパッド)」の日本発売が今月末に迫った。10日には予約の受け付けが始まる。アメリカでは先月の発売初日に30万台以上を販売。電子書籍の販売サイトも開設され、25万冊の電子書籍が購入されたという。出版流通を大きく変える可能性がある電子書籍に、国内の出版関係者は戦々恐々だ。2010年は、くしくも国民読書年。“黒船”襲来の前に、そもそも電子書籍は本当に便利か考えてみたい。(油原聡子)「便利そうだけど…」 「紙」ではなく、「画面」で読む本に、ユーザーはどんなことを期待しているのか。東京・秋葉原で聞いてみた。 「資格の勉強の本なら、電子書籍で読みたい」。こう話すのは、千葉市稲毛区の男性会社員(22)だ。「電車の中だと本に線を引けないけれど、電子書籍なら大事なところをマークできて便利そう」と話す。ただ、「小説は紙で読みたい。画面の文字を追うのは、頭に