資産管理を専門に担う日本カストディ銀行が基幹システムの統合で揺れている。同行は2020年、2つの資産管理銀行が銀行系列を超えて合併、発足した。システム統合は片寄せが基本路線だったが、その後に方針は二転三転した。今も2つのシステムが併存し、統合方針は定まっていないとされる。2025年3月にはデータセンターの撤退期限が迫っており、時間的な猶予はない。 「時間をかければかけるほど、プロジェクトの難度は上がる」――。基幹システムの統合で揺れる日本カストディ銀行(CBJ)の内情を知る大手ITベンダーの元幹部はこう打ち明ける。 CBJは「カストディアン」と呼ばれる資産管理銀行だ。機関投資家から預かった有価証券の保管、元利金や配当の受け取り、売買代金の授受、年金資産の運用状況の管理・分析、委託元の年金基金への報告などを手掛ける。預かり資産は2023年3月末時点で652兆円。三菱UFJ信託銀行や日本生命保