おびえる表情で写真に映る少女。 去年12月に発見されたその写真は、太平洋戦争下のフィリピンでアメリカ軍が作成した捕虜名簿の中にありました。 当時6歳の少女は、いわゆる「残留日本人」。 国籍がないまま長年フィリピンで暮らし、日本国籍を求め続けてきました。 戦後80年近くがたって見つかった写真はこの夏、84歳になった少女の人生を大きく変えることになりました。 (報道・映像センター 桑原義人、マニラ支局長 酒井紀之) フィリピン南部ミンダナオ島の中心都市、ダバオから車で2時間。 広大なバナナ農園を抜け、さらにそこから険しい山道を登るとー。 竹で編まれた昔ながらの小さな家に、彼女は暮らしていました。 私たちを笑顔で迎えてくれたのが、84歳になったペラヒア・ディアモナさん、日本名、星子ハルコさんでした。 山の斜面に建てられた、水道もガスも無い家からは、ハルコさんが戦後、生活に苦労してきたことがうかが