慶應義塾大学教授 樋口美雄 問題意識と結論 東京をはじめ大都市圏では新しいビルが次々に建てられるなど、経済が活気を取り戻していますが、地方では急激な過疎化の進展が叫ばれています。若者が仕事を求めて地方から大都市に移動し続けるとしたら、少子高齢化が進展する中で、地方の人口は、どうなるのか。そして地域は生き続けることができるのか。 こうした問題意識に基づき、われわれは、学識者や産業界などの有志でつくる研究会を立ち上げ、客観的な統計に基づいて検討を重ねてまいりました。 その結果、このままの状態が続く限り、多数の自治体で人口は急減し、高齢化が進展して、消滅してしまう可能性のあることがわかりました。きょうは、その結果を踏まえ、いま少子化や人口流出の問題に各自治体はどう立ち向かうべきなのかについて考えてみます。 自治体ごとの将来人口推計 市町村や県単位で地域の人口が将来、どうなるかは、昨年3