3月22日、将棋のプロ棋士とコンピュータ将棋ソフトが戦う「第3回将棋電王戦」第2局、佐藤紳哉六段対やねうら王の一戦が、両国国技館で行われた。対戦形式は5対5の団体戦で、第1局は将棋ソフト「習甦」が制している。プロ棋士側は連敗すれば早くも後がなくなる重要な一戦である。 将棋電王戦の第1局が行われていた日、筆者は将棋のタイトル戦のひとつ「棋王戦」の前夜祭の取材で富山県にいた。現地ではもちろん電王戦が話題の中心で、関係者の誰もがプロの勝利を期待していた。だが、第1局はプロが敗れた。内容的にも完敗である。 「この敗戦は痛い。もしかすると全敗するんじゃないか」と、がっくり肩を落とす関係者たち。筆者も同じ思いだった。しかし、それから1週間経って第2局を迎えてみると、関係者の雰囲気は変わっていた。「菅井五段の敗戦はプロ側にとって痛いが、勝負はこれから」と前向きになっていた。 菅井五段は生粋の振り飛車党だ