新型コロナウイルスの感染者の入院をめぐり、政府は、中等症以上の人は原則入院とし、それ以外の患者は自宅療養を基本とする方針を出した。医師の木村知さんは「感染者を増やすだけの愚策だ。急変のリスクがある新型コロナに対して、在宅医療はほぼ無力だ」という――。 日々積み重なる「入院困難者」 やっと東京オリンピックが終わった。 「コロナに打ち勝った証し」と言われたオリンピック。「スポーツの力」で「子どもたちに夢と希望」をもたらしてくれるはずだったオリンピック。しかしその裏の“現実世界”では、この2週間余りのうちに新型コロナの感染拡大は過去最悪の状況となり、今や「悪夢と絶望」が充満している。オリンピックは、感染拡大には遺憾なくその力を発揮したが、感染抑止には当然ながら全く無力であったのだ。 当初の専門家による感染拡大予測をはるかに超えるスピードでの感染者急増に、もともと脆弱であった日本の医療現場はあっと
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