届けること 『君に届け』第8話「自主練」を観て、この物語はタイトルの「君に届け」という通り、やっぱ「届ける」物語なんだなと感じました。まずは第8話について。 第8話では冒頭から「笑うこと・笑顔」が反復され、「笑顔」というものが今回の主題の一つになっていると思われる。爽子が笑うと福がくる都市伝説や第8話から本格的に登場した胡桃沢梅の全編に渡っての猫を被っているような微笑など、登場人物たちに対して「笑顔」というものが顕著にあらわれる。それでBパートラスト。石でサッカーの練習をしていた黒沼爽子は風早翔太に声をかけられ、サッカーの練習をすることになる。この時、言葉はほとんど交わされない。風早の「こっち」というたった三文字の呟きだけで二人のやりとりが成立してしまう。サッカーの練習をするやりとりを成立させたのは、言葉ではなく風早が爽子に一瞬みせた「笑顔」によりコミュニケーションが成立したという側面が強