2015年8月末、日本最大の暴力団である山口組が分裂し、離脱派が神戸山口組を立ち上げた。約1カ月後、長野県で組員が射殺された。その後、直参と呼ばれる旗本級の組長が自殺したり、手足を縛られたまま撲殺される事件が相次ぎ、年末には大阪の山口組系事務所に車が突っ込んでいる。そんな中、2014年に東海地区のみで放送されたドキュメンタリー番組『ヤクザと憲法』(東海テレビ)が劇場で公開される。 東海テレビが『ヤクザと憲法』というドキュメンタリーを放映したのは、昨年3月30日のことだった。東海三県(愛知、岐阜、三重)のみの放送でも評判は全国に伝わり、すぐに業界で最高の権威であるギャラクシー賞の選奨となった。その後、日本民間放送連盟賞でも優賞を受賞した。暴力団排除条例が全国で施行され、もはや暴力団との取り引きはすべて違法とされる。マスコミにとっても取り上げるだけで非難を浴びる最悪案件で、ヤクザと呼ぶことさえ