「きょうは暗黒の金曜日です」。7月10日、中国内外のネット上に、こんなフレーズが駆け抜けた。中国株の大暴落のことではない。この日、中国で改革開放後、最大級の「弁護士狩り」が始まったからだ。中国は7月1日に新国家安全法案を可決し即日施行しているが、国家の安全を「国内外の脅威」から守るためなら、どんな無茶ぶりも容認するといわんばかりのこの法律は、これまでの法治の概念を覆すものとして、中国の心ある法律家や弁護士は懸念を示していた。今回の「弁護士狩り」は、こうした懸念が具体化したものと言える。新国家安全法、株式市場の仮死状態、法曹界に広がる粛正と続いている暗黒の7月。それは赤いファシズムの幕開けなのか。それとも。 人権擁護活動の拠点をターゲットに 香港のラジオ局、ラジオフリーアジア(RFA)の報道などによると、10日の金曜日、多くの弁護士、人権活動家の家が家宅捜査され、また多くが行動の自由を制限さ