清野 由美 ジャーナリスト 1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。 この著者の記事を見る
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清野 由美 ジャーナリスト 1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。 この著者の記事を見る
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が中国の抗日式典に参加した。韓国は米国陣営から中国側へと大きく踏み出した。この国は「帰らざる橋」を渡っている。 中国から盃 9月3日に北京で開かれた抗日式典――抗日戦勝70周年記念式典に朴槿恵大統領が参加しました。 鈴置:これで韓国は一気に中国側に寄りました。同盟国である米国の要請を無視し、その仮想敵の言いなりになったのです。韓国人は米中等距離外交を展開しているつもりです。しかし周りからは「中国から盃(さかずき)をもらった」と見なされました。 韓国は米国とはまだ同盟を結んでいますから、北東アジアには実に奇妙な――米中対立が深まる中、米国の同盟国が中国と行動をともにするという奇妙な構図が出現したのです。 天安門の衝撃 天安門の壇上で習近平主席が演説しました。その真下の雛段で、朴槿恵大統領はプーチン大統領と並んで演説に聞き入りました。 鈴置:そんな3ショット映像を見
「安倍談話」は韓国を完全に無視した。「韓国外し」の狼煙だ。 3つの言葉を要求した韓国 安倍晋三首相が8月14日に「戦後70年談話」を出しました。これに対し、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は「物足りない部分がある」と言いながらも、一定の評価をしました。 鈴置:韓国はもっと怒るべきなのですが……。なにせ「安倍談話」は韓国を完全に無視したのです。よく読むと、安倍首相の眼中に韓国という国など、一切ないことが分かります。 談話には「韓国」「植民地」という単語も入っています。それでも韓国を無視したというのですか? 鈴置:その通りです。まず、韓国とこの談話の関係を説明します。韓国は朴槿恵大統領が先頭に立って「河野談話」(1993年)と「村山談話」(1995年)で日本が打ち出した歴史認識を「戦後70年談話」でも継承するよう繰り返し求めました。 柳興洙(ユ・フンス)駐日大使は4月22日、東京での講演で「植民地
「きょうは暗黒の金曜日です」。7月10日、中国内外のネット上に、こんなフレーズが駆け抜けた。中国株の大暴落のことではない。この日、中国で改革開放後、最大級の「弁護士狩り」が始まったからだ。中国は7月1日に新国家安全法案を可決し即日施行しているが、国家の安全を「国内外の脅威」から守るためなら、どんな無茶ぶりも容認するといわんばかりのこの法律は、これまでの法治の概念を覆すものとして、中国の心ある法律家や弁護士は懸念を示していた。今回の「弁護士狩り」は、こうした懸念が具体化したものと言える。新国家安全法、株式市場の仮死状態、法曹界に広がる粛正と続いている暗黒の7月。それは赤いファシズムの幕開けなのか。それとも。 人権擁護活動の拠点をターゲットに 香港のラジオ局、ラジオフリーアジア(RFA)の報道などによると、10日の金曜日、多くの弁護士、人権活動家の家が家宅捜査され、また多くが行動の自由を制限さ
矢野義昭(やの・よしあき) 岐阜女子大学客員教授、日本経済大学大学院特任教授、拓殖大学客員教授、博士(安全保障、拓殖大学)。専門は核抑止論、対テロ行動、情報戦。1950年大阪市生まれ。京都大学工学部機械工学科を卒業後、京都大学文学部中国哲学史科に学士入学し卒業。1975年、陸上自衛隊幹部候補生学校入校。以来、普通科幹部として第6普通科連隊長兼美幌駐屯地司令、第一師団副師団長兼練馬駐屯地司令などを歴任。2006年小平学校副校長をもって退官(陸将補)。2014年、フランス戦争経済大学大学院において共同研究。単著に『日本はすでに北朝鮮核ミサイル200基の射程下にある』(光人社、2008年)、『核の脅威と無防備国家日本』(光人社、2009年)、『あるべき日本の国防体制』(内外出版、2009年)、『日本の領土があぶない』(ぎょうせい、2013年)、『イスラム国 衝撃の近未来』(育鵬社、2015年)が
東京都練馬区のスーパーの屋外トイレで、人の頭蓋骨が見つかったのが、先月23日の昼下がりのことだった。骨は焼かれた状態で、洋式便器の中に転がっていた。当時は営業中で、不特定多数の客がトイレを頻繁に利用している。そのため犯人は発見直前に、骨を遺棄して逃走したとみられる。警視庁では死体遺棄容疑で、調べを進めている。 実はこの事件が発覚する20日ほど前にも、長野県松本市の商業施設のトイレで焼かれた骨が遺棄されているのが見つかり、地元紙で報道されていた。 同一犯が殺人を犯し、世間の注目を集めるために遺骨をスーパーのトイレに流そうとしたのだろうか。 遺骨遺棄が多発 いや、恐らく殺人事件などではない。2つの事件にも共通性はないだろう。実は最近、こうした遺骨の遺棄事件が頻繁に起きているのだ。大方の事情は、こういうことだ。 ある人が亡くなり、火葬をした。通常は、大切な遺骨は丁重に供養をし、墓地に埋葬する。し
「MVNOに関する勉強会を開きますので、ぜひご参加ください」 4月の半ば、楽天から案内があった。ありがたい話である。 MVNO(仮想移動体通信事業者)とは、最近人気の格安スマートフォンのことだ。巷では楽天モバイルやイオン・モバイルといった格安スマホが大人気。何でも月々の料金がNTTドコモなど大手キャリアの3分の1になるらしい。おまけに5月からは「SIMフリー」というスマホがどどっと発売され、キャリアに縛られず好きな端末が使えるようになるという。 実はシニア記者もかねて興味津々だった。だが人間だれしも年を取ると保守的になる。「安かろう、悪かろうだったらどうしよう」。若いころ、やたらめったら新しいものに手を伸ばし、「だからやめろって言ったのに」と笑いものになった経験は知れず。 記者デビューを果たしたばかりの1989年、スマホはおろかパソコンですら一般的でなかったあの頃、最初のボーナスをはたいて
世界の子どもにワクチンを届ける目的でペットボトルのキャップを集めている団体があるのだそうだ。名前を「エコキャップ推進協会」という。で、その横浜市に本拠を置くNPO法人が、キャップの売却益を、2013年以降、ワクチンとの交換でなく、別の使途に充てていたことが発覚して、ちょっとした騒ぎになっている。 寄付目的で集めていた善意(あるいは労力)の結晶を、掲げていた看板とは違う目的のために流用していたわけだから、これは「裏切り」と言えば「裏切り」ではある。 大勢の人の小さな善意が裏切られたわけだから、怒る人がいるのは当然だ。 が、最初に個人的な見解を述べておくと、私は、大勢の人々の小さな善意や、それを眺めている人間の憤りには興味がない。 どうでも良いと思っている。 ニュースを知って、私が興味を持ったのは、「そもそもどうしてペットボトルのキャップなんかを集めようとしたのか」という点についてだ。 だって
皆さん、こんにちは。月に1度の読書コラムです。今回のテーマはドイツです。なぜ今回、ドイツを取り上げるのかというと、日本とドイツは似たところが多く、多くのことが学べるような気がするからです。 戦後、日本とドイツは両国とも、がれきの山から立ち上がりました。しかしよく考えてみると、どちらがより過酷な状況だったかと言われれば、筆者はドイツの方が大変だったと思います。 日本は米国に占領されただけですが、ドイツは旧ソ連、米国、フランス、連合王国の4カ国に占領されました。さらに、東ドイツと西ドイツ、2つに分断されました。 それを統一して東ドイツを吸収したのは20年ほど前ですが、巨額の統一コストを負担しなければなりませんでした。がれきの山から再出発したのは同じだったけれど、ドイツの方がはるかに状況が厳しかったのです。 それにもかかわらず、ドイツの経済は近年絶好調ですし、ユーロという重荷を抱えてはいますが、
普段はカジュアルな服を着ているスタッフがスーツ姿でいるのを見ると「またか」という気持ちになりました。なぜ彼らがスーツを着ているのかというと、それは、お客様のところへ謝罪に伺うためです。 お客様とお約束をした、本来ならリノベーション工事が終わっていなければならないタイミングにまだ工事が半ばという事態が、ある時期に頻発していました。工期の遅れは1カ月になることもあったのです。 スタッフはそれをお詫びして歩いていました。しかし、お客様が「ああ、そうですか。分かりました」とすぐに納得されるはずはありません。 現在の仮住まいは解約し、新居へ引っ越す準備を進めているお客様にしてみれば「実は工事が1カ月遅れています。ですから、入居を1カ月遅らせてください」という言葉には怒りを禁じ得なかったでしょう。僕がお客様でも、信頼して新居づくりをまかせた会社からそんなことを言われたら耳を疑い、どういうことなのかと問
テキサス州ヒューストンの北に位置する郊外住宅地スプリングで、若い父親が無料の食事にありつこうと、危険を承知でハイウェーを歩く。郊外では、低所得世帯が増え、貧困率とSNAP(食料費の公的扶助)の受給率が高まっている。(Photograph by Kitra Cahana/National Geographic) 大恐慌時代とはまったく異なるタイプの飢えが、今の米国をむしばんでいる。 「祖母の世代の飢えとは違います」と、ニューヨーク市立大学の社会学者ジャネット・ポッペンディークは説明する。「賃金の低下が原因で、働いているのにまともな食事ができない世帯が増えているんです」 米政府は、前の年に十分な食料がない時期があった家庭を「食料不安」世帯と呼んでいる。うち半数以上が白人家庭だ。また、子どものいる食料不安世帯のうち、3分の2には働く大人がいて、多くが常勤の仕事に就いている。 「食料不安」4800
5月12日号の特集「背水の農 TPPショック、5大改革で乗り越えろ」ではオランダの植物工場を現地取材し、小国ながらも世界2位を誇る農産物の輸出力について紹介した。大規模化、生産性向上、コストダウンの3つを絶えず継続しており、3月下旬には安倍晋三首相が視察するなど日本政府関係者もオランダ詣でを繰り返している。 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉でのライバルにあたる米国や豪州と違い、土地の広さが限られる日本でも効率的なオランダ型の施設園芸を今後展開したいとの思いがある。そうした動きを先取りし、日経ビジネスオンラインの連載ではオランダ植物工場の強さの秘訣に迫りたい。 トマトや花は世界トップの輸出シェア オランダの人口は1679万人、国土面積も415万ヘクタールにとどまる。いずれの規模も日本の1割程度という欧州の小国だが、農産物の輸出額は年間893億ドルと米国に次いで2位の座を保つ。農業はGDP(
小保方晴子さんがSTAP細胞論文問題で記者会見を開いた日の午前中、さる新聞社の社会部を名乗る記者さんから電話がかかってきた。午後からの記者会見を視聴したうえで、感想のコメントを提供してほしいという取材依頼だった。 しばらく考えて、お断りした。 先方には、コメント取材に応じられない理由として 「この件については、継続的にウォッチングしていないので、会見の中で出てくる言葉に関して、適切に判断できる自信がない」 という主旨の話をしたのだが、本心はもう少し複雑だった。以下、その「理由」について説明してみる。 この種の出来事についてコメントを求められた際の正しい対応は、多くの場合、思ったことをそのまま語ることに尽きる。多少ヌルくても、観察が届いていなくても、長い目で見て、正直にまさる戦略は無いからだ。 大向こうの受けを狙って、うがった意見を言おうとしたり、珍しいものの見方を誇示しようとする態度は、と
世界的には、再生エネルギーのコストは急速に下がってきており、再エネは高いという常識は過去のものになりつつある。今回は、大規模ウィンドファームやメガソーラーが相次いで運開している米国の最新情勢を取り上げる。その低コストは衝撃的である。 日本では「コスト高」扱いだが…… 日本では、いまだに再エネはコストが高いという前提で議論が進んでいる。公式に発電コストが見直されたのが2011年に開催されたコスト等検証委員会においてであり、同年12月に発表されている。 そのコスト水準が概ね固定価格買取制度(FIT)のコストの前提となっている。買取り価格は発電原価に事業収益率(IRR)、系統への接続費用を乗せたものである。コスト委員会の結果によると(2010年モデル)、kWh当たりで原子力8.9円(下限)、石炭9.5円、LNG10.7円、陸上風力9.9~17.3円、メガソーラ30.1~45.8円となっている。F
3月の31日、日本が南極海で実施している調査捕鯨が違法かどうかを日豪が争っていた裁判で、国際司法裁判所(ICJ)が、日本側完敗の判決を言い渡した(こちら)。 判決を受けて、関係各方面には、静かな衝撃が広がっているという。 なるほど。 来るべきものが来た感じだ。 今回はクジラの話をしようと思っている。 クジラの話題は、必ず荒れる。 だから、この問題に触れる時には、論点を整理して、荒れる部分と荒れない部分をきちんと切り分けたうえで、感情論に流されない冷静なディスカッションを心がけるべきだ――といったあたりの心構えが、良い子の前提ではあるのだろう。 が、建前は建前として、クジラの話を「感情論」抜きで話すのは、簡単なことではない。ほとんど不可能と言っても良い。 というのも、捕鯨問題の核心である「食文化」や「宗教的伝統」は、そもそも、感情の分野の話題だからだ。これらのポイントを捨象したうえでクジラの
日本のゲームビジネスの中で、もっとも足りない要素のひとつが「恋愛」です。 小説やコミック、映画などと比べると、その違いは明白でしょう。書店には恋愛をテーマにした少女漫画がたくさんありますし、DVDショップに女性向けの恋愛映画のコーナーがありますが、家庭用ゲームの売り場には、女性向けゲームのコーナーはほとんど存在しませんでした(女児用コーナーはありますが)。そのような市場を開拓し、大きく成長させることを怠ってきたといっていい。 現在のゲームユーザーの半数は女性です。テレビゲームが男性ユーザーをターゲットにしたマーケットだ、という時代はとっくの昔に終わっています。しかし、いまなお女性ユーザーを強く意識したゲームが少ないという問題を、ゲーム業界は抱え続けているのです。 しかし、ここ数年、流れが変わりつつあるようです。女性向けゲームが目立つようになってきました。特にスマートフォンのアプリ市場では顕
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