渋谷・桜丘の老舗立ち飲み居酒屋「富士屋本店」(渋谷区桜丘町)が10月30日で閉店し、40年を超える歴史に幕を閉じた。 店の外では最後まで行列が途切れなかった 昭和の面影を残す店内には客が所狭しと立ち、隣り合わせた初対面同士の間にも自然に会話が生まれる――そんな人情味のある立ち飲みの「聖地」には世代を問わずファンも多く、この日は閉店前から200人近くが列を作り、最後まで行列が途切れなかった。 17時の開店を前に、14時台には店の前に並び始めたという50代の女性会社員は多い時で週に2~3回店に通う常連。「寂しいの一言」と声を震わせ、「料理がおいしい。気を遣わない。ホッとする。嫌なことがあっても、ここで飲めばすっきりした」と店の魅力を語る。「初めて来た時に店のしきたりが分からず、隣の人が親切に教えてくれたのもいい思い出。会えたらお礼が言いたい」とも。 桜丘で100年以上前に創業した酒販店「富士屋