コロナ禍ではさまざまな理系の専門家がテレビに引っ張り出されるようになった。ライター・編集者の中川淳一郎さんは「コロナ禍で理系の専門家が幅を利かせるようになり、文系の人々の声を軽んじる風潮が高まっている。理系専門家の『教祖化』には注意が必要だ」という──。 「理系の話題の触れた文系」にありがちな反応 文系人間が自らの理系コンプレックスを痛感する瞬間はいくつかある。身近なところだと、買い物途中に概算を出したり、飲食店で割り勘をしたりといった、日常生活で唐突に暗算が求められる場面だろうか。ビジネスにおいても、統計資料を読み解いたり、表計算ソフトで計算式を組んだりする際、「これってどういうこと?」と思考が滞ってしまい、数字やグラフがまったく頭に入ってこなくなってしまう……といった声を少なからず耳にする。 スケールが大きいところでは「日本人が理系分野でノーベル賞を受賞したとき」も同様だろう。テレビは