東京大学大気海洋研究所国際・地域連携研究センター教授の原田尚美さん(57)は、今年12月に日本を出発する第66次南極観測隊で隊長を務める。日本の南極観測史上、女性隊長は初めて。今、南極では氷の融解が急激に進み「今世紀半ばには後戻りできない状況に陥る」との見方もあるが、観測データが乏しく正確な予測は困難。それだけに、氷海を巨大氷河の縁まで進み観測を行うスキルを持つ日本の観測隊に、世界が注目する。重大な任務に赴く意気込みを聞いた。 ◇ 25%が女性〝隔世の感〟南極観測隊参加は3回目で、最初は平成3年に出発した33次隊です。当時は名古屋大の大学院生で「日本隊2人目の女性隊員」。2度目は60次隊(30年出発)で「女性初の副隊長兼夏隊長」でした。いつも、マスコミに注目されている感じですね。でも、66次隊の構成は25%が女性で〝隔世の感〟があります。 第60次南極観測隊で副隊長として出発する前、観測船