筑波大学の奥村宏典助教らの研究グループは、絶縁体であるサファイア(酸化アルミニウム)の室温での電気伝導に成功した。サファイアはバンドギャップ(禁制帯のエネルギー幅)が大きく、高品質で安価。サファイアのパワー半導体が開発できれば、電気自動車(EV)などに搭載できる可能性がある。 奥村助教らは結晶成長の方法にプラズマを用いた「プラズマ援用分子線エピタキシー法」を採用。これを用いてシリコンを添加した590ナノメートル(ナノは10億分の1)厚のα型酸化アルミニウムの薄膜に30ボルトの電圧をかけ、1ミリアンペアを導電した。 さらに室温での膜中の抵抗値を測定したところ、半導体の性質と定義される数値(166オームセンチメートル)を確認した。半導体デバイスとしての実用化にはまだ多くの課題を残す。 だが、これまで絶縁体として使われていたサファイアを半導体として使うことができれば、次世代パワー半導体材料の炭化
medium 高エネルギー粒子加速器に頭を突っ込んだらどうなるだろう? その答えを身を持って知っている男が世界に一人だけ存在する。 1978年7月13日、当時ソビエト連邦で最大の粒子加速器であるU-70で働いていたアナトーリ・ブゴルスキー(Anatoli Bugorski)は、U-70に問題が生じたため、装置の中に頭を入れて点検をしていた。 しかし、そのとき装置は稼働したままであり、運悪く、警報装置も前の実験でスイッチをオフにされたまま元に戻されずにいた。 そのことを知らないで作業をしていたブゴルスキーは、超高速の陽子ビームに撃ち抜かれてしまった。 陽子ビームは彼の後頭部を貫き、鼻の左側を抜けていった(トップ画参照)。 ブゴルスキーによると、彼はそのとき痛みは感じなかったが、「千個の太陽よりも明るい(brighter than a thousand suns)」光を見たという。 ちなみに、
米イリノイ州バタビア郊外にある米フェルミ国立加速器研究所(Fermilab)で、CDF衝突実験に臨む科学者ら(撮影日不明、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Fermilab 【4月13日 AFP】素粒子の一種「Wボソン」が、理論値を著しく上回る質量を持つとする研究論文が7日、発表された。約10年に及ぶ精密な測定に基づくもので、宇宙の仕組みに関する理解の根幹を揺るがす研究結果だ。 宇宙を理解する際の基礎となっているのは、素粒子物理学の「標準理論(Standard Model)」だ。標準理論は、宇宙の最も基本的な構成要素とそれらをどのような力が支配しているかを最もよく説明する科学的理論とされる。 自然界に存在する基本的な四つの力(相互作用)の一つ、「弱い力」を媒介するボース粒子(Boson、ボソン)のうち電荷を持つのがWボソンで、標準理論の柱の一つとなっている。 だが、米科学誌サイエン
ある真っ暗な夜、ペットボトルから水を飲んだらポカッっと音がして凹んで青く光りました。口を離してポカッっと戻ったらまた青く光りました。 目の錯覚?なんらかの光が反射して光ったように見えた?と思ってしばらくポカポカとペットボトルを凹ましたり戻したりしてみたところ、やっぱり光ってました。 なにこれ? あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。 1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。(動画インタビュー) 前の記事:実写版カップ麺をいくつか作ってみた2021 > 個人サイト keiziweb D
飛んでいく光の軌跡をリアルタイムに撮影することに成功した光の軌跡は散乱光を通してカメラに記録された画像の再構成には宇宙物理学におけるみかけ上の超光速運動を記載する数式が使われた 懐中電灯から発っされた光は、スイッチを切るとどうなるのか…? 既に飛んでいった光は永遠に飛び続けるのか、それとも光源の消失と共に消えてしまうのか…。 そんな疑問を抱いた人は少なくないと思います。 しかし今回、スイスの研究者たちの開発したカメラにより、レーザー光が3次元空間を飛翔していく様子が撮影され、疑問は解消されることになりました。 じつは現実の空間を旅する光には、SFの光線銃の軌跡と同じように始点と終点があったのです。
プレスリリース 研究 2017 2017.09.06 量子力学から熱力学第二法則を導出することに成功 〜「時間の矢」の起源の解明へ大きな一歩〜 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の伊與田英輝助教、金子和哉大学院生、沙川貴大准教授は、マクロ(巨視的)な世界の基本法則で、不可逆な変化に関する熱力学第二法則を、ミクロな世界の基本法則である量子力学から、理論的に導出することに成功しました。これは、極微の世界を支配する「量子力学」と、私達の日常を支配する「熱力学」という、二つの大きく隔たった体系を直接に結び付けるものです。本研究では、量子多体系の理論に基づき、単一の波動関数(注4)で表される量子力学系において、熱力学第二法則を理論的に導きました。従来の研究とは異なり、カノニカル分布などの統計力学の概念を使うことなく、多体系の量子力学に基づいて第二法則を導出したことが、本研究の大きな特徴です。さら
米首都ワシントンのナショナルプレスクラブで開かれた記者会見で重力波の初観測について発表するLIGOのデービッド・ライツェ所長(2016年2月11日撮影)〔AFPBB News〕 最初に経済誌コラム的な部分を書けば、この業績が事実と認められたら間違いなくノーベル賞を取るに決まっています。 あれは毎年出るもので、珍しいものでも何でもない。日本国内で基礎科学の賞として話が通りやすいのでノーベル賞、ノーベル賞と言いますが、今回のケースは、そんなレベルにとどまる話ではなく、事実ならば画期的な新たな一歩を私たち人類の宇宙理解にもたらすことになります。 それに関連していくつか記してみたいと思います。 何が素晴らしいのか? 最初に、この業績の何が画期的で素晴らしいのかを端的に記しておきましょう。 「ブラックホールが直接観測できるようになる」という、私が生きている間には不可能ではないかと思っていた、新しい科
イスラエルのヘブライ大学で披露された、100年前に「重力波」の存在を予言した物理学者アルバート・アインシュタインの直筆論文の1ページ(右)と相対性理論の論文(2016年2月11日撮影)。(c)AFP/THOMAS COEX 【2月12日 AFP】イスラエルのヘブライ大学(Hebrew University)で11日、物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)が「重力波」の存在を予言した100年前の論文が公開された。同時に46ページからなる相対性理論の論文も披露された。 同大の「アルバート・アインシュタイン・アーカイブ(Albert Einstein Archives)」にはアインシュタインの論文や関連資料などが保管されている。(c)AFP
重力波の直接観測に成功! 13億年前のブラックホール衝突の余波検出、正式発表【追記あり】2016.02.12 03:209,975 福田ミホ アインシュタインが予言し、でも絶対直接見えないはずと言っていた、そんなものが見えちゃった。 アルベルト・アインシュタインが一般相対性理論の中でその存在を予言した重力波。彼自身、それを直接観測することは無理だろうと言っていたのですが、LIGO(Laser Interferometer Gravitational Wave Observatory)がなんとそれに成功しました。 LIGOが2月11日(現地時間)記者会見を行ない、重力波の直接観測成功を正式発表しました。彼らはこの数カ月、昼夜を問わず重力波の存在を示すシグナルの検証を行なってきました。以前、意図的にフェイクのシグナルが仕込まれていたこともあったので、噂はちょろちょろ出回っていたものの、LIGO
アインシュタインが存在を予言した「重力波」と呼ばれる現象を観測しようと、東京大学などが岐阜県の山の地下深くに建設した巨大な観測装置が完成し、報道関係者に公開されました。かつて重力波が直接捉えられたことはなく、世界が100年越しで挑んできた物理学の難題の行方に注目が集まっています。 しかし、極めて重い星が爆発しても、伝わってくる空間のゆがみは、太陽と地球の間の距離が水素の原子1個分伸び縮みする程度と考えられ、世界でも直接観測できた例はありません。 このため東京大学宇宙線研究所などでは、世界に先駆けて重力波を捉えようと、岐阜県飛騨市の山の地下深くで巨大な観測装置の建設を進めてきました。 完成した装置は「重力波望遠鏡」と呼ばれ、長さ3キロある2本のパイプがL字型につなげられていて、この中でレーザーを使って精密に距離を測ることで、重力波による空間のゆがみを捉えます。 重力波を捉えることで、世界が1
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