「やはり必要だったでしょう?」 そんなティムの声が聞こえてきた気がして、私は心の中で「それははそうなんだけど……!」と返事をしました。 彼のアドバイスで、出発の3日前、航空会社に「可能であれば、祖母のために車椅子を1台お借りしたい」とお願いの電話をしておいたのです。 疲れきった祖母にとって、空港内でも快適に移動することができる車椅子。 本来ならば諸手を挙げて「借りられてよかったー!」と言うべきところなのですが、先方が気を使ってチェックインカウンターに用意しておいてくださったのが、まさかの電動車椅子。 私が押さずとも、祖母が手元のレバーで操縦できてしまう優れものです。 だからこそ! 困る! いくら疲労困憊していても、買い物に対する情熱の炎だけは消えない祖母です。 思いのままに車椅子を動かせると知るが早いか、空港ターミナル内に並ぶ店を自ら巡り始めたではありませんか。 ティム~! 確かに車椅子は