「一番問題なのは国民皆保険制度を崩壊させたこと」。地方のクリニックで、3万7千人の新型コロナウイルス感染症の患者を診療してきたインターパーク倉持呼吸器内科(宇都宮市)。院長の倉持仁医師(51)は政府の新型コロナウイルス対策をそう批判する。皆保険崩壊とは、肝心なときに診てもらえない患者が続出したことを指す。その真意を聞いた。 (杉谷剛)
カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 感染防止対策や公衆衛生の取り組みにおいては、基本的に「何をなすべきか」が一義的に求められ、それをいかに科学的に、合理的に伝えることが重要です。ところが、日本政府や省庁が繰り出す基本的ガイドラインやマニュアルでは、得てしてこの原則から外れることが多く、この点で行政機構は構造的欠陥を抱えていると言えます。 最も顕著な例が、政府がマスク着用を個人の自由としたり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が5類感染症になったことに伴い、「感染対策は個人の主体的な選択を尊重して個人や事業者の判断に委ねる」(厚生労働省ホームページ)としたことです。このメッセージには国民が「何をなすべきか」という情報が一切含まれていません。つまり、全く伝える必要がないメッセージであり、ここだけを捉えれば感染対策や公衆衛生の放棄となってしまうのです。憲法第
質の高い研究が重ねられ、新型コロナウイルス感染症への効果が否定された抗寄生虫薬のイベルメクチン。しかし今も一部で使い続けられている。内科医の名取宏さんは「もともと医療は不確実なもの。効果が証明されなければ使用をやめたらいい」という――。 抗寄生虫薬が万能薬と誤解された理由 以前、「抗寄生虫薬・イベルメクチンが、新型コロナウイルス感染症に著効を示す」という説が広まりました。イベルメクチンは、寄生虫を保持したブヨに繰り返し刺されることで感染する『オンコセルカ症(河川盲目症)』などの病気から多くの人を救い、開発者の大村智先生は2015年にノーベル生理学医学賞を受賞しています。 しかし、後で詳しく述べるように、質の高い臨床試験では新型コロナに対する効果を確認できませんでした。それでも今も一部に「イベルメクチンは新型コロナに効く」と言い続ける医療者、それを信じる一般の人たちがいます。さらに、イベルメ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く