名古屋大学の産学官連携拠点、ナショナルイノベーションコンプレックスが完成し、12日に記念式典があった。トヨタ自動車やパナソニック、富士通など6社の研究開発部門が集い、自動運転車の共同開発などを進める。 文部科学省の拠点整備事業の一つに採択された。地上8階建てで総工費約40億円。名大の工、医、環境、情報科学の各分野と企業の研究者が「同居」する。 高画質の大型画面を5面持つ世界初のドライビングシミュレーターや実験用の自動運転車を5台備え、公道での実証実験を重ね10年以内の実用化を目指す。高齢者の歩行を助けるロボットや、地元ベンチャー企業「ラクオリア創薬」(名古屋市中村区)などとの新薬の開発も進める。 名大の松尾清一総長は「愛知には自動車産業はじめ、ものづくりが根付いている。地域の強みを生かし革新的な技術を発展させたい」と話した。(月舘彩子)