新エネルギー・産業技術総合開発機構と京都大学は2016年3月28日、「リザーバ型」と呼ぶ革新型蓄電池の研究成果を3つ発表した。既存のリチウムイオン蓄電池を改善するだけでは、ガソリン車並の走行距離が可能な電気自動車の実現には至らず、リザーバ型が必要になるという。 「1回の充電当たりの走行距離という意味で、ガソリン車と同等の電気自動車を実現しようとすると、現在の5倍の500ワット時/キログラム(Wh/kg)というエネルギー密度を備えた蓄電池が必要だ。だが、現在のリチウムイオン蓄電池を改良しても300Wh/kg程度が限界だろう。これは蓄電池の充放電動作として『インサーション型』を採っているためだ」(京都大学産官学連携本部の特定教授である荒井創氏)。 蓄電池に対する要求は数多い。容量、パワー、寿命、小型化、動作温度、コスト……。中でも自動車向けの蓄電池が難しい。自動車に搭載するには軽くなくてはなら