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ブックマーク / www.riken.jp (132)

  • 全ゲノム解析で明らかになる日本人の遺伝的起源と特徴

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チームの寺尾 知可史 チームリーダー(静岡県立総合病院 臨床研究部 免疫研究部長、静岡県立大学 薬学部ゲノム病態解析講座 特任教授)、劉 暁渓 上級研究員(研究当時:ゲノム解析応用研究チーム 研究員; 静岡県立総合病院 臨床研究部 研究員)、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター シークエンス技術開発分野の松田 浩一 特任教授らの共同研究グループは、大規模な日人の全ゲノムシークエンス(WGS)[1]情報を分析し、日人集団の遺伝的構造、ネアンデルタール人[2]およびデニソワ人[3]由来のDNAと病気の関連性、そしてゲノムの自然選択が影響を及ぼしている領域を複数発見しました。 研究成果は、日人集団の遺伝的特徴や起源の理解、さらには個別化医療[4]や創薬研究への貢献が期待されます。 今回、共同研究グループは、バイオバン

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    yamifuu 2024/04/18
  • カマキリを操るハリガネムシ遺伝子の驚くべき由来

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 染色体分配研究チームの三品 達平 基礎科学特別研究員(研究当時、現 客員研究員)、京都大学 生態学研究センターの佐藤 拓哉 准教授、国立台湾大学の邱 名鍾 助教、大阪医科薬科大学 医学部の橋口 康之 講師(研究当時)、神戸大学 理学研究科の佐倉 緑 准教授、岡田 龍一 学術研究員、東京農業大学 農学部の佐々木 剛 教授、福井県立大学 海洋生物資源学部の武島 弘彦 客員研究員らの国際共同研究グループは、ハリガネムシのゲノムにカマキリ由来と考えられる大量の遺伝子を発見し、この大規模な遺伝子水平伝播[1]がハリガネムシによるカマキリの行動改変(宿主操作[2])の成立に関与している可能性を示しました。 研究成果は、寄生生物が系統的に大きく異なる宿主の行動をなぜ操作できるのかという謎を分子レベルで解明することに貢献すると期待されます。 自然界では、寄生

    カマキリを操るハリガネムシ遺伝子の驚くべき由来
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    yamifuu 2023/10/20
  • 国宝油滴天目茶碗の曜変(光彩)の秘密を探る

    理化学研究所(理研)光量子工学研究センター 先端光学素子開発チームの海老塚 昇 研究員と開拓研究部 石橋極微デバイス工学研究室の岡 隆之 専任研究員(研究当時)の研究チームは、国宝油滴天目(ゆてきてんもく)茶碗[1]の青紫色の光彩、いわゆる曜変(ようへん)の発色を油滴(油の滴に似た斑点)の反射と釉薬(ゆうやく、うわぐすり)の2次元回折格子[2]構造によって説明しました。 研究成果は油滴天目茶碗や曜変天目(ようへんてんもく)茶碗の鑑賞のために最適な照明を提案できる上、釉薬の配合や焼成(焼き締め、焼結)方法を解明する糸口になると期待されます。 曜変とは漆黒の釉薬が厚くかかった建盞(けんさん。中国の宋時代の10~13世紀に建窯(けんよう。中国福建省にあった名窯)において焼成された、鉄質黒釉(こくゆう)の天目茶碗)の内面に大小さまざまな斑点が浮かび、その周りが暈(かさ)のように青く輝き、その

    国宝油滴天目茶碗の曜変(光彩)の秘密を探る
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    yamifuu 2023/10/12
  • 放射光施設でLEDが壊れる?その原因を解明

    大型放射光施設「SPring-8」は、SDGsや2050年カーボンニュートラル達成に向けた研究を支える施設で、施設のグリーン化も積極的に進めています。しかし、その過程で意外なところにネックがあったのです。高エネルギーの電磁波である放射線にさらされると、長寿命のはずのLEDが数カ月で点灯しなくなってしまいました。田中 均グループディレクター(GD)らはその原因を究明し、驚くほど簡単な解決方法を見いだしました。 放射線環境下ではLEDが使えない?! 施設のグリーン化の一環として、SPring-8でも、蛍光灯からLEDへの置き換えを実施している。ところが、加速器トンネル内のLEDは数カ月ですべて故障してしまった。強い放射線(X線)の影響と考えられたが、当時、LEDのメーカーでさえそのような故障が起きるとは認識しておらず、原因も分からなかった。田中GDはその原因を探ろうとチームを立ち上げた。 そん

    放射光施設でLEDが壊れる?その原因を解明
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    yamifuu 2022/09/17
  • 赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学

    理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター親和性社会行動研究チームの大村菜美研究員、黒田公美チームリーダーらの国際共同研究グループは、科学的根拠に基づく赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけのヒントを発見しました。 研究成果は、赤ちゃんの泣きに困る養育者のストレスの軽減や、虐待防止につながると期待できます。 黒田公美チームリーダーらは2013年、親が赤ちゃんを運ぶとおとなしくなる「輸送反応[1]」をマウスとヒトにおいて発見しました。しかしこの研究では、運ぶ時間が約20秒間と短く、かつ運ぶのをやめると赤ちゃんは再び泣き出すという課題がありました。 今回、国際共同研究グループは、赤ちゃんが泣いているとき、母親が抱っこして5分間連続で歩くと、泣きやむだけでなく、約半数の赤ちゃんが寝付くことを発見しました。また、親の腕の中で眠った赤ちゃんをベッドに置くとき、赤ちゃんが目覚めやすいのは親から体が離れるタイ

    赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学
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    yamifuu 2022/09/14
  • 4個の中性子だけでできた原子核を観測

    理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター多種粒子測定装置開発チームの大津秀暁チームリーダー、スピン・アイソスピン研究室のバレリー・パニン特別研究員(研究当時、現客員研究員)、ダルムシュタット工科大学のメイテル・デュア研究員、ステファノス・パシャリス研究員(研究当時)、トーマス・オウマン教授、東京大学大学院理学系研究科附属原子核科学研究センターの下浦享教授(研究当時)、東京工業大学理学院物理学系の中村隆司教授、近藤洋介助教らの国際共同研究グループは、理研の重イオン[1]加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)[2]」の多種粒子測定装置「SAMURAIスペクトロメータ[3]」を用いて、4個の中性子だけでできた原子核「テトラ中性子核」の観測に成功し、陽子を含まない複数個の中性子が原子核を構成して存在できる新たな証拠を得ました。 研究成果は、陽子を1個も含まない、いわば「原子番号ゼロ

    4個の中性子だけでできた原子核を観測
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    yamifuu 2022/06/29
  • 4億年前の謎の脊椎動物の正体解明

    理化学研究所(理研)開拓研究部倉谷形態進化研究室の平沢達矢客員研究員(東京大学大学院理学系研究科准教授)、倉谷滋主任研究員(生命機能科学研究センター形態進化研究チームチームリーダー)らの国際共同研究グループは、シンクロトロン放射光X線マイクロCT(SRXμCT)[1]を用いて、中期デボン紀(約4億年前)の脊椎動物パレオスポンディルス(Palaeospondylus gunni)[2]の化石の頭骨の形態を精密観察し、この動物が陸上脊椎動物の祖先と近縁であったことを発見しました。 研究成果は、魚類から陸上脊椎動物への移行段階[3]に、従来知られていなかった奇妙な形態パターンを持つ動物が存在したことを示しており、ヒトを含む陸上脊椎動物の初期進化過程の全貌解明に貢献すると期待できます。 今回、国際共同研究グループは、頭骨が完全に保存されたパレオスポンディルスの化石を特定し、大型放射光施設「SP

    4億年前の謎の脊椎動物の正体解明
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    yamifuu 2022/05/27
  • 新型コロナウイルスに殺傷効果を持つ記憶免疫キラーT細胞

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター免疫細胞治療研究チームの清水佳奈子上級研究員、藤井眞一郎チームリーダー(科技ハブ産連部創薬・医療技術基盤プログラム副プログラムディレクター)らの共同研究グループは、ヒトの体内に存在する季節性コロナウイルス[1]に対する「記憶免疫キラーT細胞[2]」が認識する抗原部位を発見し、その部位が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質[3](Sタンパク質)領域にも強く交差反応[4]することを示しました。 研究成果は、SARS-CoV-2の重症度診断、ワクチン効果診断、治療薬の開発に貢献すると期待できます。 今回、共同研究グループは、日人に多いヒト白血球型抗原(HLA)[5]タイプのHLA-A*24:02に結合するSARS-CoV-2のSタンパク質中のエピトープ[6]の同定に成功しました。季節性コロナウイルスに対する記憶免疫キラーT

    新型コロナウイルスに殺傷効果を持つ記憶免疫キラーT細胞
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    yamifuu 2021/12/09
  • “微生物ダークマター”を追え!

    発酵品や抗生物質をつくったり、環境中の汚染物質を分解したり、このような微生物の働きは私たちの生活のあらゆる場面で役立てられています。しかし、人類がその正体を明らかにしている微生物は、地球上に存在する全微生物のわずか1%程度にすぎません。残りの膨大な数の微生物は謎に包まれており、宇宙を満たす未知の暗黒物質(ダークマター)になぞらえて"微生物ダークマター"と呼ばれています。加藤真悟開発研究員(以下、研究員)は、そんな微生物ダークマターの一つを捉えました。 加藤 真悟(かとう しんご) バイオリソース研究センター 微生物材料開発室 開発研究員 1981年山口県生まれ。東京薬科大学大学院生命科学研究科生命科学専攻修了。博士(生命科学)。理研基礎科学特別研究員、米国デラウェア大学海外特別研究員、海洋研究開発機構特任研究員などを経て、2018年より現職。 99%の微生物は謎に包まれている 微生物の機

    “微生物ダークマター”を追え!
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    yamifuu 2021/12/04
  • 蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述

    理化学研究所(理研)数理創造プログラムの横倉祐貴上級研究員らの共同研究チームは、量子力学[1]と一般相対性理論[2]を用いて、蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述しました。 研究成果は、ブラックホールの正体に迫るものであり、遠い未来、情報[1]を蓄えるデバイスとしてブラックホールを活用する「ブラックホール工学」の基礎理論になると期待できます。 近年の観測により、ブラックホールの周辺のことについては徐々に分かってきましたが、その内部については、極めて強い重力によって信号が外にほとんど出てこられないため、何も分かっていません。また、ブラックホールは「ホーキング輻射[3]」によって蒸発することが理論的に示されており、内部にあった物質の持つ情報が蒸発後にどうなってしまうのかは、現代物理学における大きな未解決問題の一つです。 今回、共同研究チームは、ブラックホールの形成段階から蒸発の効果を直

    蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述
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    yamifuu 2020/07/08
  • レム睡眠に必須な遺伝子を発見

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター合成生物学研究チームの上田泰己チームリーダー(東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻システムズ薬理学教授)、丹羽康貴基礎科学特別研究員(研究当時)、神田元紀研究員、山田陸裕上級研究員らの国際共同研究グループ※は、レム睡眠に必須なニつの遺伝子を発見し、レム睡眠がほぼなくなっても生存するマウスの作製に初めて成功しました。 研究成果は、レム睡眠の誘導や睡眠覚醒における神経伝達物質アセチルコリン[1]の役割の理解と、その異常により引き起こされる睡眠障害の病態解明や治療法の開発に貢献すると期待できます。 レム睡眠は、身体は寝ているのに脳は起きているという、覚醒とノンレム睡眠の中間の状態と考えられています。アセチルコリンはレム睡眠を誘導する分子として知られていますが、当にレム睡眠に不可欠なものであるかはこれまで不明でした。今回、国際共同研究グループは、

    レム睡眠に必須な遺伝子を発見
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    yamifuu 2018/08/30
  • 新粒子「ダイオメガ」 | 理化学研究所

    理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター量子ハドロン物理学研究室の権業慎也基礎科学特別研究員、土井琢身専任研究員、数理創造プログラムの初田哲男プログラムディレクター、京都大学基礎物理学研究所の佐々木健志特任助教、青木慎也教授、大阪大学核物理研究センターの石井理修准教授らの共同研究グループ※「HAL QCD Collaboration[1]」は、スーパーコンピュータ「京」[2]を用いることで、新粒子「ダイオメガ(ΩΩ)」の存在を理論的に予言しました。 研究成果は、素粒子のクォーク[3]がどのように組み合わさって物質ができているのかという、現代物理学の根源的問題の解明につながると期待できます。 クォークには、アップ、ダウン、ストレンジ、チャーム、ボトム、トップの6種類があることが、小林誠博士と益川敏英博士(2008年ノーベル物理学賞受賞)により明らかにされました。陽子や中性子はアップク

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    yamifuu 2018/05/24
  • 水に特有の物理的特性の起源を解明 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)放射光科学総合研究センター ビームライン開発チームの片山哲夫客員研究員(高輝度光科学研究センターXFEL利用研究推進室研究員)、ストックホルム大学のキョンホァン・キム研究員、アンダース・ニルソン教授らの国際共同研究グループは、X線自由電子レーザー(XFEL)[1]施設SACLA[2]を利用し、過冷却状態[3]にある水(H2O)の構造を捉えることに成功しました。 水は生命に不可欠な液体ですが、その挙動に関する理解は不完全です。例えば、温度を下げていくときの密度、熱容量[4]、等温圧縮率[5]といった熱力学的な特性の変化は、水と他の液体とでは逆の挙動を示します。そのため、水の熱力学的な特性については長年議論されており、いくつかの仮説が提唱されています。そのうちの一つが、水には密度の異なる二つの相があり、その間を揺らいでいるという仮説です。しかし、温度を0℃未満に下げた

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    yamifuu 2018/01/11
  • 脳の基本単位回路を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター局所神経回路研究チームの細谷俊彦チームリーダー、丸岡久人研究員らの研究チーム※は、哺乳類の大脳皮質[1]が単純な機能単位回路の繰り返しからなる六方格子状の構造を持つことを発見しました。 大脳はさまざまな皮質領野[2]に分かれており、それぞれ感覚処理、運動制御、言語、思考など異なる機能をつかさどっています。大脳は極めて複雑な組織なため、その回路の構造には不明な点が多く残っています。特に、単一の回路が繰り返した構造が存在するか否かは不明でした。 今回、研究チームは、大脳皮質に6層ある細胞層の一つである第5層をマウス脳を用いて解析し、大部分の神経細胞が細胞タイプ特異的なカラム状の小さなクラスター(マイクロカラム)を形成していることを発見しました。マイクロカラムは六方格子状の規則的な配置をとっており、機能の異なるさまざまな大脳皮質領野に共通に存在して

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    yamifuu 2017/11/04
  • 化学的手法でクモの糸を創る | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター酵素研究チームの土屋康佑上級研究員と沼田圭司チームリーダーの研究チームは、高強度を示すクモ糸タンパク質のアミノ酸配列に類似した一次構造[1]を持つポリペプチドを化学的に合成する手法を開発しました。また、合成したポリペプチドはクモ糸に類似した二次構造[1]を構築していることを明らかにしました。 クモの糸(牽引糸)は鉄に匹敵する高強度を示す素材であり、自動車用パーツなど構造材料としての応用が期待されます。しかし、一般的にクモは家蚕のように飼育することができないため、天然のクモ糸を大量生産することは困難です。また、一部の高コストな微生物合成法を除くと、人工的にクモ糸タンパク質を大量かつ簡便に合成する手法は確立されていません。 今回、研究チームはこれまでに研究を進めてきた化学酵素重合[2]を取り入れた2段階の化学合成的手法を用いて、アミノ酸エステル

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    yamifuu 2017/01/19
  • シビレエイ発電機 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)生命システム研究センター集積バイオデバイス研究ユニットの田中陽ユニットリーダーらの共同研究グループ※は、シビレエイ[1]の電気器官を利用した新原理の発電機を開発しました。 火力や原子力といった既存の発電方法に代わる、クリーンで安全な発電方法の開発が急がれています。そこで近年、生物機能に着目し、グルコース燃料電池[2]や微生物燃料電池[3]などのバイオ燃料電池が開発されていますが、従来の発電法に比べて出力性能が劣っています。 一方、シビレエイに代表される強電気魚は、体内の電気器官で変換効率が100%に近い効率的な発電を行っています。これは、ATP(アデノシン三リン酸)をイオン輸送エネルギーに変換する膜タンパク質が高度に配列・集積化された電気器官とその制御系である神経系を強電気魚が有しているためです。共同研究グループは、これを人工的に再現・制御できれば、画期的な発電方

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    yamifuu 2016/06/02
  • 遷移金属酸化物で量子ホール効果を実現 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)創発物性科学研究センターの高橋圭上級研究員(科学技術振興機構さきがけ研究者)、デニス・マリエンコ研究員、川﨑雅司グループディレクター(東京大学大学院工学系研究科教授)、サイード・バハラミー ユニットリーダー(東京大学大学院工学系研究科特任講師)、東北大学金属材料研究所の塚﨑敦教授らの共同研究グループは、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)[1]の高品質単結晶薄膜を作製し、電子を平面上に閉じ込めた二次元電子[2]構造において、「量子ホール効果[3]」の観察に成功しました。 量子ホール効果とは、通常はミクロな世界だけで発現する量子効果が、特定の条件を満たすことで巨視的なスケールで現れる現象です。量子ホール効果は、高い移動度を示す二次元電子においてのみ実現するため、電子相関(電子同士の反発力)の弱く移動度の高いs軌道[4]やp軌道[4]を由来とする電子が物性を支配する

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    yamifuu 2016/06/01
  • 神経突起を光で誘導 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター神経成長機構研究チームの上口裕之チームリーダー、産業技術総合研究所 健康工学研究部門の達吉郎研究部門長らの共同研究チームは、神経突起[1]を光で誘導[2]するための光活性型ペプチド[3]を開発しました。 神経回路を作るために伸長している神経突起は、正しい方向へ旋回を繰り返して最終標的へ到達します。神経突起は細胞外から流入したCa2+からははねのけられる、また小胞体[4]から放出されたCa2+には引き寄せられるといったように、Ca2+供給源の違いを識別して応答しています。しかし、その適切な応答を誘起する仕組みについては明らかにされていませんでした。 共同研究チームは、Ca2+供給源の1つである小胞体からのCa2+を特異的に検出するタンパク質分子「ミオシンVa」を同定しました。そして、Ca2+により活性化されたミオシンVaが、神経細胞で膜小胞[5

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    yamifuu 2016/05/02
  • ミトコンドリアゲノムの初期化機構を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)吉田化学遺伝学研究室の凌楓(リン・フォン)専任研究員、吉田稔主任研究員、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)メディカル・ゲノムセンターの後藤雄一センター長らの共同研究グループは、細胞分裂後にできる娘細胞にミトコンドリアDNA(mtDNA)からなる「線状多量体(コンカテマー)[1]」が送り込まれることでミトコンドリアゲノムの初期化が促進されるという、mtDNA複製と分配の新しいメカニズムを発見しました。 1つの細胞には、数千個ものミトコンドリアが存在します。ミトコンドリアゲノムは加齢に伴い変異が蓄積し、成人の体細胞で変異型mtDNAと正常型mtDNAが混在した「ヘテロプラスミー[2]」という状態になります。さらに、変異型mtDNAの比率が一定以上になるとミトコンドリアの機能が低下し、ミトコンドリア病[3]などを発症することが知られています。一方、新生児のミトコ

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    yamifuu 2016/04/30
  • 乱雑さを決める時間の対称性を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)理論科学連携研究推進グループ分野横断型計算科学連携研究チームの横倉祐貴基礎科学特別研究員と京都大学大学院理学研究科物理学宇宙物理学専攻の佐々真一教授の共同研究チームは、物質を構成する粒子の“乱雑さ”を決める時間の対称性[1]を発見しました。 乱雑さは、「エントロピー[2]」と呼ばれる量によって表わされます。エントロピーはマクロな物質の性質をつかさどる量として19世紀中頃に見い出され、その後、さまざまな分野に広がりました。20世紀初頭には、物理学者のボルツマン、ギブス、アインシュタインらの理論を踏まえて「多数のミクロな粒子を含んだ断熱容器の体積が非常にゆっくり変化する場合、乱雑さは一定に保たれ、エントロピーは変化しない」という性質が議論されました。同じ頃、数学者のネーターによって「対称性がある場合、時間変化のもとで一定に保たれる量(保存量)が存在する」という定理が証

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    yamifuu 2016/04/27