1994年、あるベンチャー企業に投資を決めたビル・ゲイツは「銀行機能は必要だが、今ある銀行は必要なくなる」と発言した。彼が投資したのは、インテュイット。PCがオフィスに浸透すると同時に急速に成長し、現在も世界最大手の会計ソフト企業として君臨している。 それから約20年後の、2013年。数多くの金融・決済サービス関連企業が集うカンファレンス「Money20/20」において、あるアンケートが行われた。「新たなイノベーションによって生まれる勝ち組と負け組は?」。負け組の筆頭として挙げられたのは、銀行などの伝統的な金融サービスだ。次世代のサービスを見据える人々は、なぜ銀行の凋落を予見しているのか。 銀行をおびやかすのは、ほかでもない「フィンテック」だ。その名のとおり、金融(ファイナンス)とIT(テクノロジー)を組み合わせたサービスの総称である。最も早くフィンテックが立ち上がったのは、金融サービスの