藤川さんが政治に目覚めたきっかけは、中学3年の時に起きた1969年の東大安田講堂事件だ。大阪市に住んでいて「現場にいないことが悔しかった」。政治や思想、歴史の本を読みあさった。高校では、天皇制や憲法、日米安保や日本の歴史観について、友人らによく議論をふっかけながら、「自由主義と共産主義との間で揺れ動いていた」。 東京の大学に進んで政治運動に没頭し、卒業後に23歳で、当時の自民党田中派の代議士秘書になった。政治の世界に飛び込んでみて、「学生時代に熱く議論した安保だ、憲法だ、天皇制だという根本的な問題よりも、政治は国家予算の分捕り合いと利益分配が中心だと知ってがくぜんとした」。失望を覚えながら、秘書の仕事や中央・地方の選挙をがむしゃらにこなすうちに、政治家を志すようになる。
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