まず知っておきたい、「原盤権」と「(音楽)出版権」 経産省が今年7月に公表した「音楽産業の新たな時代に即したビジネスモデルの在り方に関する報告書」が、日本の音楽ビジネスはもとより、アイドル・アーティスト・アニメ・漫画などのファンダムにも深く切り込んだ内容になっているとして、大きな注目を集めている。 同報告書は、CDが売れなくなったといわれて20年余りがたち、人口減少も続く中、音楽産業が拡大基調を取り戻すためにはより大きな市場、すなわち海外へ打って出るべきだと指摘している。 レポートを読み解く前に、音楽の市場がそもそもどのようなビジネスモデルで成り立っているのかを確認しよう。 CDやレコードといったモノを販売していた時代と変わり、現在の音楽は収益の源泉がどこにあるのか分かりにくいところがある。音楽をビジネスとして捉える上で重要な軸となるのは、「原盤権」と「(音楽)出版権」と呼ばれる2つの権利