豊島挑戦者は愛知県一宮市出身。日本将棋連盟関西本部に所属し、10代の頃から将来を嘱望されてきた。昨年、棋聖と王位のタイトルを立て続けに獲得。その勢いのまま、将棋界の頂点に立った。 初挑戦となった今回の名人戦は、千日手(引き分け)で指し直しとなった第1局から第3局まで3連勝。熱戦となった第4局も制して、一気に勝負を決めた。 3連覇中だった佐藤名人は無冠になった。 重なる3月のライオン 挑戦者の豊島二冠が佐藤名人を4連勝で破り、名人を獲得した。長年活躍を期待されてきた俊英が、昨夏に初タイトルを獲得してから、1年足らずで将棋界の頂点に駆け上がった。 「結果を出せて良かった」。ビッグタイトルを手にしたにも関わらず、終局直後の豊島二冠は驚くほど落ち着いていた。 名人戦初挑戦ながら、隙のない戦いぶりだった。第1局は序盤で千日手(引き分け)に持ち込み、指し直し局では先手番を握って快勝。第3局の終盤では、