【カイロ=久保健一】イラク警察当局によると、イスラム国は30日、イラク北部の油田都市キルクークに侵攻し、クルド自治政府の治安部隊と激しい戦闘になった。 イスラム国側は中心部のホテルなどを一時占拠したが、治安部隊の反撃に遭い、撤退した。イスラム国は資金難に陥っているとの指摘があり、キルクーク周辺の油田を資金源にしようとした可能性がある。 キルクークがイスラム国の本格的な攻撃を受けたのは初めてとみられる。クルド自治政府当局者は簡易投稿サイト「ツイッター」で、イスラム国の戦闘員45人とクルド自治政府の兵士7人の計52人が死亡したと伝えた。 キルクークの住民のほとんどはクルド人で、昨年6月に中央政府に代わってクルド自治政府が実効支配を開始した。キルクーク周辺には日量計30万バレル(昨年6月現在)の生産が可能な油田があり、同11月から自治政府による正式な原油生産が始まっていた。