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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (8)

  • 高校の偏差値と体力の相関

    東京都は毎年,「児童・生徒体力・運動能力,生活・運動習慣等調査」を実施しています。調査対象は,都内の公立小・中・高校生です。驚くべきことに,高校調査の結果は,個々の学校別に公表されています。 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/seisaku_sport-8.htm 高校段階になると,いわゆるランク別の学校分化が明瞭になるのは,誰もが知っています。教育社会学をやっている人間ならば,こうしたランク別にみて,体力テストの結果がどう異なるか,という問題に関心を持つことでしょう。 学力テストであれば,入試偏差値が高い高校ほど成績がよい,という傾向がクリアーに出るでしょうが,体力のほうは如何。私は,調査対象の都立高校を入試偏差値の群に仕分け,体力テストの結果の平均値を群ごとに比較してみました。 入試偏差値は,下記サイトのものを使わせていただきました。 ht

    高校の偏差値と体力の相関
    yasudayasu
    yasudayasu 2015/07/21
    偏差値が高い群ほど,体力テストの成績の平均水準が高い傾向。「まじめな生徒は勉強も運動も熱心にやる」,「家庭環境の違いだ」という説明が付されるでしょうが,各高校における組織的社会化の効果もあるでしょう。
  • 首都圏の空き家率地図(2013年)

    総務省「住宅土地統計」(2013年)の地域統計分析,第3弾です。今回は,総住宅数に占める空き家の割合をみてみましょう。この資料によると,2013年10月時点の全国の空き家数は6063万戸であり,総住宅数の13.5%を占めます。人が住めるように建てられた住宅のおよそ7件に1件が空家であるわけです。 http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/kekka.htm なお,一口に空き家といってもいくつかの種類があり,統計では4つのカテゴリーが設けられています。二次住宅賃貸住宅,売却用住宅,その他です。下の図は,これらの比重を面積図で表したものです。4つの比率の総和は,上記の13.5%と等しくなります。 最も多いのは,賃貸に出されているが借り手がつかない賃貸住宅です。別荘などの二次住宅は0.7%,売却住宅は0.5%と少数派。残りの5.2%は,これらのいずれにも該当しない

    首都圏の空き家率地図(2013年)
    yasudayasu
    yasudayasu 2015/03/11
    豊島区なんで空き家が多いんだろ。
  • 首都圏の家賃地図

    先日,2013年の「住宅土地統計」の確報結果が公表されましたが,県よりも下った区市町村別にいろいろな情報を知ることができるスグレモノです。 http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/kekka.htm 前々回と前回は世帯の平均年収に注目しましたが,今度は平均家賃をみてみましょう。こちらは,原資料に計算済みの数値が掲載されています。各地域の借家世帯の平均家賃月額です。家賃0円の世帯は除外して算出された平均値です。 首都圏1都3県の214区市町村の値を収集し,マップにしてみました。8万以上,7万台,6万台,5万台,5万未満の5階級を設け,各地域をグラデーションで塗り分けています。 予想通り,都内の都心が濃い色になっていますね。それと横浜市の北部。周辺部に行くほど色が薄くなりますが,千葉で白色のゾーンがここまで広いとは初めて知りました。 上の地図では大まかな区切りにし

    首都圏の家賃地図
    yasudayasu
    yasudayasu 2015/03/05
    首都圏の家賃地図
  • ディスタンクシオン

    タイトルをみて「?」と思われましたか。これは,「差異」という意味の仏語です。綴りは「distinction」ですが,仏語だと「ディスタンクシオン」と読みます。 社会学をちょっとかじった方ならお分かりでしょうが,フランスの社会学者ブルデューが,このタイトルの名著を公刊しています。邦訳は藤原書店から出ています。石井洋二郎教授の訳です。 このでは,人々の趣味や嗜好が階層によって大きく異なることが明らかにされています。たとえば,読む雑誌を調べると,ホワイトカラー層は文芸誌を好むが,ブルカラー層は大衆誌を好む。服装,映画,スポーツなどにおいても,階層による違いが明瞭に出るのだそうです。 まさに「差異(distinction)」ですが,これは階層がはっきりしている西洋の話であって,日ではこういう現象は見られないのではないか,といわれます。なるほど。教育社会学の授業でこういう話をしても,ピンとこない

    ディスタンクシオン
    yasudayasu
    yasudayasu 2014/09/07
    面接重視に方向転換されるそうですが,親世代の文化差が子ども世代に投影される度合いが高まらないか。経ち振る舞い,余裕の程度,話題の豊富さ・・・は,計算力などよりも家庭の文化環境を反映すると思われます。
  • 都道府県別の大学進学率

    現在では同世代の2人に1人が大学に進学しますが,大学進学率は,この2年間続けて下がっている模様です。2011年春が51.0%,2012年が50.8%,そして2013年が49.9%なり。 これは浪人込みの進学率ですが,浪人込みの率なんて出せるのか,という疑問もあるかと思いますので,当局の計算方法を説明いたしましょう。 大学進学率とは,同世代のうちどれほどが大学に進学したかという指標です。ベースは高卒者ではありません。文科省の『学校基調査』からこの値を計算する場合,当該年に大学に入った者の数を,推定18歳人口(3年前の中学校・中等教育学校前期課程卒業者)で除すことになります。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm 分子の大学入学者数には,より上の世代(いわゆる浪人生)も含まれますが,当該年の18歳人口から

    都道府県別の大学進学率
    yasudayasu
    yasudayasu 2013/09/12
    大学進学は個々人の意向や能力によってなされるものと思われてますが,それを集積してみると,社会現象としての側面が浮かび上がります。子どもの学力上位常連の東北や北陸県の進学率が高くないことにも注意。
  • 貯蓄ジニ係数

    社会は,有する富の量を異にする人々から成り立っています。各人の富量の指標としては収入がよく用いられますが,貯蓄という側面にも注意する必要があるでしょう。収入が少なくても(なくても),貯蓄で暮らしている人だっているわけですから。 各世帯の貯蓄額分布が分かる公的資料としては,厚労省の『国民生活基礎調査』がありますが,調査において貯蓄が調査項目に加えられたのは,つい最近のようです。よって,長期的な時系列をたどれない,という難点があります。 そこで私は,金融広報中央委員会が毎年実施している『家計の金融行動に関する世論調査』のデータを使うことにしました。この調査から,1991~2012年現在までの,2人以上世帯の貯蓄額分布の変化を明らかにすることができます。単身世帯が調査対象に含まれていませんが,この点はよしとしましょう。 http://www.shiruporuto.jp/finance/cho

    貯蓄ジニ係数
    yasudayasu
    yasudayasu 2013/08/22
    祖父母から孫への教育援助を非課税にする動きがあります。貯め込んだお金を使っていただこうという意図には賛成ですが,高齢世代の貯蓄格差が,子の世代の教育格差となって現出しないかどうか。
  • 専攻別にみた博士課程修了生の惨状

    前回は,2012年3月の大学院博士課程修了生について,無業者率と死亡・進路不明率を計算しました。文科省の『学校基調査』では,博士課程修了後の進路として,以下のカテゴリーが設けられています。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001011528 ①:進学 ②:正規就職 ③:非正規就職 ④:臨床研修医 ⑤:専修学校・外国の学校等入学 ⑥:一時的な仕事 ⑦:左記以外の者 ⑧:死亡・進路不明 無業者率とは,⑥~⑧の者が全体に占める比率です。要するに,定職に就けなかった者の比率です。死亡・進路不明率とは,⑧の比率のことをいいます。前回の記事で出した数字によると,人文科学系博士課程修了生の65.3%が無業者,19.0%が死亡・進路不明者という惨状です。 ところで,人文科学系は,文学,史学,そして哲学という専攻を内包しています。これ

    専攻別にみた博士課程修了生の惨状
  • 行方不明の博士

    大学院博士課程を修了しても定職に就けない人間が増えていることについては,このブログで何回か書いてきました。しかるに,フリーター(非常勤講師)をしているなど,行方が知れているケースは,まだマシといえるかもしれません。 もっと悲惨なのは,消息不明になったり,絶望のあまり自殺に走ったりするケースです。2011年度の文科省『学校基調査』によると,同年3月の博士課程修了者15,893人(単位取得退学者含む)のうち,「進路不詳・死亡」というカテゴリーに該当するのは1,512人となっています。調査時点の5月1日までに死亡が確認された者か,その時点になっても進路(行方)が把握できていない者のことです。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001033893&cycode=0 こうした死亡・行方不明者の比率は,1,512/15,893=9.5%

    行方不明の博士
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