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ブックマーク / labor-econ.hatenablog.com (6)

  • 少人数クラスで学力は上がるか - 山口慎太郎のブログ

    少人数学級の是非は、教育政策上の最も大きな論点の一つだ。2015年には、財務省と文部科学省の間で、少人数学級の是非を巡って激しい論争が繰り広げられた。 財務省の主張は、少人数学級の効果は見られないので、35人学級を廃止し40人学級に戻すべきというものだ。これにより、必要な教職員数が約4,000人減り、人件費の国負担分を年間約86億円削減できるという。 一方、文部科学省は、教員の多忙感や、きめ細かい指導といった観点から35人学級の維持を求めた。 結局、財務省の提案は世論の支持を得られず、35人学級が続けられることとなった。ひとクラスあたりの児童数・生徒数は少ないほうがいいというのは、多くの人の直感にあっている。私自身、選べるならば、子供は少人数学級で学ばせたいと思う。 しかし、実際のところ、少人数学級には子供にとってどのような効果があるのだろうか。 大規模データで少人数学級の効果を検証 筆者

    少人数クラスで学力は上がるか - 山口慎太郎のブログ
  • 「AI失業」は起こらない - 山口慎太郎のブログ

    人工知能の発達はめざましく、これまでになかったような製品・サービスが生み出される一方、私達の仕事人工知能によって奪われてしまうのではないかという懸念も抱かれている。オックスフォード大学のフレイとオズボーンの論文によると、アメリカでは次の10-20年の間に47%もの仕事が機械によって置き換えられる可能性があるそうだ。 人工知能は近年急速に発達した技術であるが、テクノロジー仕事を奪うという懸念自体は新しいものではない。あのラッダイト運動は200年前のものだし、もう少し新しいものでは1964年にアメリカのジョンソン大統領が諮問委員会を設置し、自動化の進展により雇用が奪われる可能性について検討された。 今も昔も悲観論者の中にはテクノロジー仕事を奪い、街には失業者があふれると予言するものが少なくなかったが、果たして実際にはどうなったか。失業率は景気変動に応じて上下するものの、長期的な上昇トレン

    「AI失業」は起こらない - 山口慎太郎のブログ
    yasudayasu
    yasudayasu 2017/09/12
    テクノロジーが仕事を奪うという懸念自体は新しいものでない。ラッダイト運動は200年前だし、1964年にアメリカのジョンソン大統領が諮問委員会を設置し、自動化の進展により雇用が奪われる可能性について検討された。
  • 最低賃金は雇用を破壊するか - 山口慎太郎のブログ

    最低賃金の引き上げは低賃金労働者の所得増につながり、彼らの生活を改善させると一般に論じられることが多いが、必ずしも、ことはそう単純とは限らない。現在の賃金が労働者の能力に見合った形で支払われている場合、最低賃金を引き上げると企業は利益を得られなくなってしまうため、企業はより少ない労働者を雇うか、一人あたり労働時間を少なくすることで対応するからだ。こうした状況は、企業が労働者をめぐって少しでも高い賃金を提示し、労働者を引きつけようとしている際に当てはまる*1 一方、企業が労働者の能力を下回る賃金しか支払っていないような場合は話が変わってくる。雇用主の数が少ない小さな町を想像してほしい。この町では働き口が少ないため、雇用主が能力に見合っていない低い賃金を提示しても泣く泣くそれを受け入れざるを得ない。*2 この場合、雇用主は賃金相場が上昇しないよう、なるべく人を雇わないことで利益をあげようとする

    最低賃金は雇用を破壊するか - 山口慎太郎のブログ
    yasudayasu
    yasudayasu 2017/07/02
    シアトル市で2015年から16年にかけて最低賃金を$11から$13に上げた結果、低賃金労働者の労働時間を9%減らした。労働者が自主的に労働時間を減らしたのではなく、企業が雇用量を減らしたと思われる。月収は$125減少した。
  • 幼児教育の経済的利益とは何か? - 山口慎太郎のブログ

    きのう日経新聞「経済教室」に寄稿したが、字数の制約などのために書ききれなかった内容が多少あるので補足しておきたい。以下の内容は記事と一部重複する。 幼児教育の主な利益は将来の労働所得増加と犯罪の減少 認可保育所に多くみられるような良質な保育施設は、幼児教育施設としての側面も併せ持つ。近年の経済学の研究では、幼児教育施設は社会にとって有望な「投資先」とみなせることが示されている。シカゴ大学のヘックマン教授らの一連の研究によると、社会経済的に恵まれていない子供達が良質な幼児教育プログラムに参加した結果、成人後の労働所得が増加する一方、犯罪への関与など社会的に望ましくないとされる行動は減少している。 図は幼児教育が生み出す様々な経済的利益を試算したものだ。ヘックマン教授によると、ペリー幼児教育プログラムはその費用1ドルあたり6.2ドルの経済的利益を生み出した。これは内部収益率で評価すると年率8%

    幼児教育の経済的利益とは何か? - 山口慎太郎のブログ
    yasudayasu
    yasudayasu 2017/07/01
    ヘックマンらは健康に対する影響も評価している。幼児教育の結果、喫煙、薬物の乱用が減るほか、成人後の健康面の改善もみられ、幼児教育が健康で質の高い生活を送ることに寄与しているそうだ。
  • 保育園は子供の発達にどんな影響?厚労省データによる検証 - 山口慎太郎のブログ

    待機児童問題は、長年に渡る重大な社会問題のひとつである。批判はあろうが、待機児童問題の解消は安倍政権も重要視しており、最終的には女性就業率と出生率の向上に結びつけたいようだ。 北米・欧州諸国においても保育所の充実は重要な政策課題であるが、日とはやや異なり、母親の就業よりも子供の発達に与える影響に論点の重きが置かれている。つまり保育所を幼児教育施設と見なし、そこで過ごすことが子供たちにどのような影響を与えているのかが重視されているのだ。 良質な幼児教育プログラムは有望な「投資先」 親からすれば子供の発達を気にかけるのは当然のことであるが、実は、ここには経済的な損得勘定も絡んでいる。シカゴ大学のヘックマン教授らの一連の研究によると、社会経済的に恵まれていない家庭の子供が良質な幼児教育プログラムに参加した結果、成人後の犯罪への関与と薬物使用が減少する一方、就業率と収入の増加、健康状態の改善に繋

    保育園は子供の発達にどんな影響?厚労省データによる検証 - 山口慎太郎のブログ
    yasudayasu
    yasudayasu 2017/05/16
    北米・欧州においても保育所の充実は重要な政策課題であるが、母親の就業よりも子供の発達に与える影響に論点の重きが置かれている。そこで過ごすことが子供たちにどのような影響を与えているのかが重視されている。
  • 高等教育無償化を正当化しうる5つの理由 - 山口慎太郎のブログ

    高等教育は「個人利益」か 安倍総理が自民党総裁として示した憲法改正提案には高等教育の無償化が含まれている。当然、財源はどうするのかといった問題が出てくるわけで、財務省は否定的な姿勢だ。 jp.reuters.com 高卒者と大学・大学院卒者では「生涯所得が6000─7000万円異なる」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)ことから、財務省の提案では、高等教育が「生涯賃金の増加につながるという私的便益が大きい」と位置づけた。 教育がそれを受けた人のみに利益をもたらすならば、経済効率的には政府が介入する必要はないので、この財務省の主張は正しい。教育に対する補助金はインセンティブを歪め、教育水準が過剰に上がってしまうだろう。 しかし、教育がそれを受けた人のみならず、社会全体に利益をもたらすならば話は変わってくる。個々人は自分が受ける利益だけを考慮するが、自分の教育が社会全体に及ぼしうる利益を

    高等教育無償化を正当化しうる5つの理由 - 山口慎太郎のブログ
    yasudayasu
    yasudayasu 2017/05/13
    教育が本人のみならず、社会全体に利益をもたらすなら、自分の教育が社会全体に及ぼしうる利益を考慮しないため、教育投資が過小になってしまう。この場合、政府の介入は正当化されうる。
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