『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』(以下、マリオワンダー)をプレイした。なるほど、これは名作である。マリオ、というより2Dプラットフォームを今更になって任天堂がやるという意義を、作品のすべてを通じて達成しきったといえるだろう。 ただ今回「マリオワンダー」の中でも注目したいのが、喋る花こと「おしゃべりフラワー」である。本作は「ゾウマリオ」など新要素がありながらも、基本的には2Dプラットフォームという極めて伝統的なゲームジャンルの延長線上にある。しかし「おしゃべりフラワー」は明らかに2Dプラットフォームとも関係がなく、そもそも既存のゲームジャンルにもほとんど例のない、特異な要素だ。 そのためか、本作が発表された当初から、この喋る花の存在は、ソーシャルメディア上でも困惑をもたらした。中には、このおしゃべりフラワーこそが黒幕であり、最終的にラスボスとして討伐する対象になるのではという疑惑すらあ