ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (15)

  • 松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』

    特定の政治イデオロギーや党派支持にこだわる、いわゆる「党派根性」の強い人たちをいかにまっとうな経済政策にめざめさせるか、書の試みはこの一点にかかっている。特に安倍政権に批判的な「党派根性」の人たち、たとえばどんな社会事件でも安倍政権の責任にしたりするような態度を強固にもっている人たちに、その姿勢を維持させながらも(どだいこの種の党派根性はの一冊で解消はできない病理学的なものだと僕は思っている)、安倍政権の経済政策を超えるものを提供し納得させることが、書の目的である。 書の主要な主張を列記すると 1 安倍首相の目的は改憲にある。その改憲のための政治勢力が実現できるように選挙に勝利しなければならない。そのために経済政策で景気を絶妙にコントロールしている。 2 安倍政権の批判をすることは正しい。松尾さんは改憲を批判し、また安保法制も反対だし、書の最後ではファッシズムにつながるものを安倍

    松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』
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    yasunori 2016/02/04
  • 『夕刊フジ』の『昭和恐慌の研究』の紹介記事

    いまからもう9年前に、われらが昭和恐慌研究会の故・岡田靖さんが、『夕刊フジ』の中田達也記者の質問に答える形で掲載された『昭和恐慌の研究』の意義。今現在進行中のアベノミクスの根幹である積極的な金融政策こそ、私たちのの中核である期待転換=レジーム転換でもあるだけでに、往時を懐かしむよりも、いままさに我々の主張が現実に試されている試練の時であるという緊張感をもっています。一つの経済政策でうまくやれたとしてもできることは限られてますが、このレジーム転換こそ日の長期停滞を終わらすための有力な手段であると我々はこの記事の前後、もちろん今も思っています。 ぜひ以下をご一読ください。 増刷も近々登場予定。リフレ派の出発点と帰結がこの一冊に凝縮! 昭和恐慌の研究 作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2004/03/19メディア: 単行購入: 5人 クリック: 99回この商品を

    『夕刊フジ』の『昭和恐慌の研究』の紹介記事
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    yasunori 2013/03/01
  • 福島県の経済メモ

    福島県の経済についてデータの出所と簡単なコメント(Twitterでつぶやいたもの) 福島経済をみると公共事業のすごさと同時にダメさの両方のサンプルとして重要かもね。あまりにも一時的刺激すぎる。 福島県経済の統計をみると典型的な公共事業投資だけある時は経済は盛り上がるが終われば急速に元の厳しい状況に戻る、という展開になっていそう。鉱工業生産指数の動きの鈍さ、県内消費者物価指数の動きなどに注意。 参照資料 http://t.co/2y9qPMLj 福島の雇用関係みても典型的な一時的な公共事業依存の帰結が観測できる。一時的に急増加している震災関連の求人などがけん引しているのは確か。他方で、製造業やサービス産業は雇用環境が伸び悩み&急速に悪化している。雇用は経済実態を遅れて反映しているのでたぶん現状はもっと回復のペースが鈍化か。 福島労働局の雇用統計。http://t.co/wAIXKDWX 福島

    福島県の経済メモ
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    yasunori 2012/09/22
  • 高橋洋一『「借金1000兆円」に騙されるな!』

    の国民の多くは官僚や政治家、そして多くはマスコミの誘導で「日の借金は1000兆円で一人当たりがほぼ700万円、第二のギリシャになって財政破綻に陥っている! これを回避するために消費税を増税して次世代に負担を負わせない」と信じこませられている。 高橋さんの新作は、そのような妄念にしっかりとした理論と事実の積み重ねで明白にノーをつきつけていて読後に爽快感もおぼえる快著だ。まず多くの財政破綻論者が、財政破綻によって国債暴落を説くが、いったいそのときの「暴落」はなんなのか定義が不明であること、またそもそもの「財政破綻」の定義も不明である、ことを指摘する。あやふやなイメージだけが先行している日の「財政破綻」議論にまずは疑問を投じる。 その上で高橋さんは、ラインハートとロゴフの『国家は破たんする』から援用して、とりあえず「財政破綻」を、対外債務、国内債務、外貨建て、自国通貨建てに関係なく、元利

    高橋洋一『「借金1000兆円」に騙されるな!』
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    yasunori 2012/04/10
  • 上念司・高橋洋一・田中秀臣トークライブ@goLivewirecom(映像編)

    音声も映像もこれはばっちり。しかしよくまあ、みんな新ネタ持ち寄って話すよねw http://www.ustream.tv/recorded/17941263 主な内容:御用一般人、財務省の隠す650兆円の国民資産、日銀行史観の形成、民主党宮崎岳志議員との応答、なぜ増税をめざすのか再論、欧州危機の波及(ここ1年以内にリーマンショック並みの危機がくる?)、無策の日。「宇宙の敵」w日銀行など

    上念司・高橋洋一・田中秀臣トークライブ@goLivewirecom(映像編)
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    yasunori 2011/10/18
  • 速水健朗「デフレカルチャー」 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    速水健朗さんの講談社現代新書カフェでの連載「デフレカルチャー」のリンク先をまとめてみた。 第1回 「生まれたときから不況の世代」http://eq.kds.jp/kmail/bn/?r=c&m=8&c=8 第2回 「ケータイ小説とチックリット」http://eq.kds.jp/kmail/bn/?r=c&m=8&c=10 第3回 「“着うた演歌”の誕生」https://eq.kds.jp/kmail/bn/?r=c&m=8&c=12 第4回 「貧困層のコミュニティ」https://eq.kds.jp/kmail/bn/?r=c&m=8&c=14 第5回 「不況と自己啓発書」https://eq.kds.jp/kmail/bn/?r=c&m=8&c=18 第6回「ポジティブ・シンキングの時代」https://eq.kds.jp/kmail/bn/?r=c&m=8&c=19 ケータイ小説的。―

    速水健朗「デフレカルチャー」 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
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    yasunori 2011/02/20
  • 最近の新卒市場をめぐず雑感ー雇用のミスマッチよりも「量だよ、量」

    今日の未明からTwitterの方で書いたものを余計なところ省いてただ掲載したもの いまの四年生の就職率低下は、雇用のミスマッチなので、中小企業の求人は多いとかいう人がいるが、あまりにも統計数字を鵜呑みにしすぎている。現場ではよく知られていることだが、実際の求人数は率になおせば大企業よりも多少ましなぐらい。例えば上武でも夏以降は求人数は劇的な低下の状況にある。ほかの大学も同様であろう。 いまのこの時期に「新卒の就職率をあげるのは雇用のミスマッチ解消」というほど現場感覚からずれた発言はないと思う。ないのだよ、求人自体が、決定的に。 もちろん早稲田とか慶應とか国立とかそこらへんはしらん。それだけが日の大学ではなく、むしろそこらへん以外の大学が数だけみれば圧倒的。もう現在四年生の新卒市場は絶対的に求人数が不足しているだけ、雇用のミスマッチというのはまったく的外れ 例えば具体的にいうと、大学にも求

    最近の新卒市場をめぐず雑感ー雇用のミスマッチよりも「量だよ、量」
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    yasunori 2010/11/23
  • 今敏追悼BOOK - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    『Comic リュウ』の付録の小冊子。今敏のマンガ『セラフィム 2億6661万3336の翼』からの抜粋、筒井康隆氏との対談、氷川竜介氏の評論を収録しているなかなかよくできた小冊子で資料的な価値は大きい。 いままで今敏という存在ではなく、『パプリカ』や『千年女優』という作品ベースでしか考えていなかったのだが、id:ITOKさんの示唆で、今敏のアニメ、マンガを連なるものとして最近観賞している。この付録と前後して、同じ今敏のマンガである『海帰線』も読んでみた。昔、読んだことがあるのかしれない。この『海帰線』にくらべると『セラフィム』の方が格段に画面の密度や緊張感とでもいったものが充実している。まったく別人の作品とでもいうような風情すらある。後者の方がアニメの経験が反映されているだろうから、その貢献なのだろうか? ここらへんはよく考えてみたい。 追悼Bookでの氷川竜介氏の評論は、今敏のアニメの虚

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    yasunori 2010/11/09
  • 内藤陽介『事情のある国の切手ほど面白い』

    ではいまも尖閣諸島問題の話題は熱い。マスコミでも日常の会話でも頻繁に出てくる話題であろう。しかし日だけではなくさまざまな国が領土問題を抱えている。なぜ領土問題が発生するか。その多くは国家の利害が存在するからであろう。ところで国家の利害が直接に表現されるものとして、切手という小さいメディアのもつ重要性を、郵便学者の内藤陽介さんはずっと研究し、それを時論的または専門的著作で書いてきた。その切手を通じてという独特の手法で語られる、内藤さんの政治、国際政治、経済、社会論は、歴史的な視点とともに深いものがあり、僕はいつも著作を拝読すると、その面白さにう〜んと唸ってしまう。 今回も表題通りにさまざまな国の「事情」が切手を通じて明らかにされている。最初の尖閣諸島問題に関連していえば、書の「領土争いをしている国」の章は必読である。日やアジアを中心にした国々の領土問題の由来がとてもバランスよく簡潔

    内藤陽介『事情のある国の切手ほど面白い』
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    yasunori 2010/10/04
  • 人間関係の希薄化と高齢(超高齢?)老人の行方不明問題 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    Twitterで教えてもらったので、『SPA!』の福田和也&坪内祐三対談を読む。大阪寿司をつまみながらの対談。話題は高齢老人の行方不明問題に。 そこで福田氏が宮常一の『忘れられた日人』を持ち出して、家族がぼろぼろになり、地域の人間関係が薄れたのは何も最近ではないと指摘。それをうけて坪内氏は以下のようにいう。 「坪内 常一は、都市より、地方の話を書いてるじゃない? 今回の「消えた老人」は都市の話だよね。で、「都市には昔もっとコミュニティがあった」みたいなことを言う人がいるけでど、それだってけっこう陶しいコミュニティだったわけだよ。その陶しさより、自由がいいということで、今のようなスタイルをみんなが自発的に選んできたわけじゃん」 この坪内氏の意見には個人的に賛成する。僕も『不謹慎な経済学』で次のように書いたことがある。 人間関係の濃密化から逃れて自由な個人でありたいという選択の一方で、

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    yasunori 2010/08/30
  • 民主党代表選に - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    高橋洋一さんの記事がいまの僕の考えに最も近いので引用 http://www.j-cast.com/2010/08/26074302.html?p=2 こうなると、民主党代表選をバネに政策転換するしかないだろう。現菅執行部とは距離のある「デフレ脱却議連(会長、松原仁衆議院議員)」は小沢系の議員が多く参加し党内140名だ。8月31日には、勝間和代氏ら民間人の呼びかけによるデフレ脱却国民会議(筆者も呼びかけ人の1人)が公開シンポジウムを衆議院第二議員会館多目的ホールで開催する。パネリストとして、勝間和代氏、松原仁氏、浅尾慶一郎みんなの党政調会長、山幸三・自民党政務調査会副会長が参加する。この会合は民間主体であるが、デフレ脱却議連のほか超党派での国会議員の参加が見込まれている。また同じ31日、民主党鳩山グループの小沢鋭仁環境相の勉強会に渡辺喜美みんなの党代表が参加する。 こうした動きは、今の円高

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    yasunori 2010/08/26
  • [経済]デフレ脱却国民会議に参加します 2010-08-18 - Economics Lovers Live

    以下の「デフレ脱却国民会議」が立ち上がった。日では首相と日銀行総裁が会うことすらも「ビックイベント」扱いという異常な体制をとり続けている。一種の二重政府状態に近いといっていい。「二重政府」状態は、日が現在直面する経済危機をさらに深刻化してしまうだろう。特にデフレの長期間の放置は、下の趣意書に書かれているように、日経済を決定的に痛めつけている。日銀行法を改正し、まともな政策のフレームワークの構築、そして政府と日銀行との積極的な協調が必要だと、僕個人はそう思っている。 この国民会議が今後どのような行動をするか、それに期待していきたい。なお以下の「呼びかけ人」はあくまでも今日現在のもので*1、少なくともそれに加えて数名の方が加わっているはずだ(それはいまも増え続けていると思う)。近い将来に国民会議主体のイベントも用意されていると聞く。どんどんやるべきだと思う。この国民会議だけではなく

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    yasunori 2010/08/18
  • 日本銀行の「120兆円で上下動する」バランスシートと円高、首相と日銀総裁対談 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    いまの日銀行の金融緩和の手法をバランスシートの資産構成でみてみると、08年8月のリーマンショック以前と現時点を比較すると、だいたい資産規模は約8兆円増加、資産構成は長期国債を当時にくらべて10兆円ほど増やしている。ただし総額は120兆円前後推移 バランスシートの総額を例のデフレ宣言以降(09年12月)でそれまでの量的緩和終了モード(100−110兆規模)を上昇させ、120兆までもっていき、ここ6,7月と120兆路線を手じまいして、110兆円レベルで推移(ただし長期国債は5千億から1兆数千億で微増)。 バランスシートの規模を一時期の120兆円超えから修正して、4月以降から6、7月と110兆円規模に落としてきている。バランスシートの大きさが金融緩和の指標とするならば、日銀行が一時期ほどの緩和姿勢から次第に撤退しているのがわかる。 量的緩和解除モードの07年6月は資産規模が100兆円ちょうど

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    yasunori 2010/08/16
  • 『週刊東洋経済』経済書・政治書ベスト40

    夏の恒例、『週刊東洋経済』の経済書、政治書ベスト40です。詳細は月曜日発売の同誌を読んでいただくとして、今回は私の知人たちのを中心にランクインを御紹介。経済書と政治書が別々にベスト20ずつあげられていて、それで計40冊です。以前は経済書だけでベスト100までだったので経済書はこの五分の一とかなり狭き門ですね。対して投票者数は増えているようです。 経済書ベスト1位は、大方の予想通り、その質の高いジャーナリズム性とまた日とのあまりにも違う中央銀行(米国FRB)の行動、また他方でFRBのもつ固有の問題性などに焦点をあてた作品、『バーナンキは正しかったか?』が選ばれました。解説は若田部昌澄さん、また同書の編集は私の『デフレ不況』と同じ方です。おめでとうございます。僕はベスト選出はここでも書いてますが、翻訳は除外してますが、そうでなければ当然に選んでいたものです。 バーナンキは正しかったか? F

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    yasunori 2010/08/10
  • 松尾匡『不況は人災です!』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    していただきました。ありがとうございます。細部で、松尾さんらしい独特のこだわりがあり、松尾さんが大学の先生としての得た若い人たちとの交流や、地域経済との積極的なかかわりなどを通じて、見聞したことがベースにあるすぐれた経済政策論ですね。 おそらくリフレ派でも議論がわかれる、名目賃金の継時的上昇にコミットする政策、日銀の金融緩和によって得られたお金を社会保障分野にあてがう政策、現在時点の消費税減税(組み合わせで貯蓄課税)して将来増税などのアイディアは、僕はこのブログでも特に前二者は賛成してきました。最後の案については書はいくつかのバリエーションを提出しています。単なる消費税増税で景気回復などよりも数段、有益な政策提言が書にはあります。 ネットでの資源もフル活用なので、読んでいて思わず微笑するところも多いですね。非常に読みやすく、編集と著者の建設的なバトルの成果がよくでてます。 不況は人

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    yasunori 2010/07/18
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