菅義偉首相は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言発令の検討を表明した4日の記者会見で、東京都を中心とした首都圏の「対策不足」に不満をにじませた。政府は経済的打撃が大きい宣言発令の回避に腐心してきたが、都の協力が得られず発令もやむなしと判断した。 「北海道、大阪府など時間短縮を行った県は結果が出ている」 首相は4日の記者会見で、より厳しい営業時間短縮を飲食店に要請している自治体では新型コロナの新規感染者数が下降していると説明し、返す刀で首都圏は「減少せずに高い水準になっている」と指摘した。東京都などが適切な措置を取れば、事態は変わっていたとの思いがにじんだ。 首相は先月25日の記者会見で緊急事態宣言の発令に慎重姿勢を崩さなかった。水面下では宣言発令を検討していたが、31日に発令の可能性を記者団に問われた際も回答を避けた。別の政府高官も今月2日午前の時点で即時発令は「全くの間違い」と