日本各地で空き家となった古民家を購入してリノベする外国人が増える一方、それらを解体して海外へ輸送し、現地で再建する動きが広がっている。日本の伝統美や職人技に魅了され、米国やカリブ海などへ「移設」した人々が、国境を越えて歴史的建造物を救う思いと、その新たな価値を語る。 オレゴン州の山脈に出現した「日本の伝統家屋」 米オレゴン州東部、ワローワ山脈の麓の高台に、白い壁と木材でできたこぢんまりとした家が建っている。雪を頂く山々を背景にしたその家は、どこか場違いに見えるほど小さく、特に中に入ると、障子や畳、頭上には太く湾曲した梁があり、その印象は一層強まる。 これは「古民家」、つまり日本の伝統的な民家だが、米国に存在しているという点では決して伝統的とは言えない。この家は数年前、日本各地で空き家となっていた古い家屋から取り外した部材を使って建てられた。日本では空き家が毎年数え切れないほど生まれているの

