2027年の開業を見据えるリニア中央新幹線が、来年度中の着工を目指して本格的に動き出した。 JR東海は先月、東京(品川)―名古屋間の詳しいルートと、六つの駅の正確な位置を発表。現在は、各地で地元説明会を開催しているが、具体的な姿が少しずつ明らかにされてきた“夢の超特急”の隠された能力、工夫をみてみると――。 ◆アルプス越え リニアの隠れた特徴が、都内の地下100メートルの大深度から、標高1200メートルの南アルプス付近のトンネル区間まで、1300メートルもある標高差だ。長野新幹線が標高差約970メートルでそれを大幅に上回る。 リニア最大の特徴は、磁力が可能にする最高時速500キロ超というスピード。速さを最大限に生かすために名古屋までできる限り短いルートが選ばれたが、行く手に立ちはだかるのが南アルプスの山々。リニアがアルプス越えを可能にできるのは、従来の新幹線を大幅に上回る登坂能力だ