4月12日に、第13回本屋大賞が発表された。2014年12月1日から2015年11月30日までに刊行された日本の小説から、一次は全国435店舗552人、二次は276書店331人が投票を行い、「全国の書店員が“いちばん!売りたい本”」が選ばれた。 2015年の小説界はおろか出版界を席巻した又吉直樹の『火花』、無名の新人のデビュー作ながらも全国の書店員から猛プッシュを受けて発行部数50万部を超えた『君の膵臓をたべたい』など、名だたる競合を抑えて大賞に輝いたのは、宮下奈都の『羊と鋼の森』だった。 受賞式では、前年に『鹿の王』で大賞を受賞した上橋菜穂子から「残念なのは、去年私が鹿に乗ったようにぜひ巨大な羊に乗っていただきたかったことです。大賞受賞者の使命は本を読む楽しみを広げていくことですが、この本を書かれたというだけですでに大きな意義があるので、そこについては何もしなくていいと思います」と冗談交