OKAMOTO'Sの新曲“BROTHER”が凄まじい。ポップスもロックもファンクもヒップホップもぶち込んだ闇鍋のなかから、最良の「旨み」と「エグみ」だけをすくい出したようなサウンド。シンプルだが、構造が狂っている。キャッチーだが、突き放している。豊潤な音楽素養とバンドの強烈な筋力が、一塊の「研ぎ澄まされた混沌」を産み出した。 <俺のことわかるやついるか?>とオカモトショウが突き刺すように歌うこの曲で、OKAMOTO'Sは、わかってもらえない絶望が、わかり合えない悲しみが、人と人の間に横たわる普遍的な命題であることを伝えている。そして、わかり合えない私とあなたが共に踊るためにロックンロールが存在する奇跡を、誰よりも謳歌しようとしている。 デビューから6年。得たものもあれば、失ったものもあったが、彼らは、再び「バンド」の根源的な喜びを取り戻した。2010年代を代表する「恐るべき子供たち」、堂々