美術館再開をめぐって──学芸員の備忘録緊急事態宣言が解除され、続々と再開されている各地の美術館・博物館。しかし各館には新型コロナウイルス感染防止対策が求められ、その対応は様々だ。ここでは、5月8日に再開した和歌山県立近代美術館を例に、同館学芸員・青木加苗による備忘録をお届けする。 文=青木加苗 5月8日朝の和歌山県立近代美術館 2020年4月16日、全都道府県に緊急事態宣言が発出され、日本国内ほぼ全ての美術館・博物館が休館した。筆者の勤める和歌山県立近代美術館は、展示室の照明機器入替工事のため、すでに1月末から全館休館していた。開館予定は4月25日であったが、「宣言」を受けて約2週間延期、ゴールデンウィーク明けの5月8日から開館している。国内の美術館としては最初に再開する美術館のひとつだったため、開館当日から複数の取材が入り、「展覧会プレビューの取材よりも多い」と学芸員同士で苦笑いしたほど
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