シャープを買収した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業。米アップルからiPhoneなどの製造を請け負う世界最大の電子機器受託製造(EMS)として、日本のメーカーも深くかかわってきました。どれだけ技術が進んでも、ものづくりを支える「黒衣」でいようと貪欲(どんよく)な投資を続けている企業です。日本の小さなベンチャー企業にも秋波をおくっています。 タッチパネルを本体から外してタブレット端末としても使える――。そんなパソコンが8月、2万9800円(税込み)の格安で販売された。横浜市のベンチャー企業、「コヴィア」が自社ホームページとネット通販アマゾンを通じて販売中だ。日本の大手企業製なら10万円以上はする。 コヴィアは、大手電機メーカーから部品設計を受託し、パソコン周辺機器も作ってきた社員45人の会社。それがパソコンメーカーになれたのは、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業とタッグを組んだからだ。鴻海は米アップ