「オペレーション・アウゲイアス」リオ五輪の水面下で進められる、ドーピング壊滅作戦の実態 「五輪と薬物」通史 ギリシア神話の王・アウゲイアス 日本人選手の活躍とともに、リオ五輪の盛り上がりがいよいよピークを迎えようとしている。南アメリカ大陸で初となるオリンピック開催に期待と不安が高まる中、8月6日に開催された開会式は、ポルトガルによる植民地化や日本人の移民等も織り込んだブラジルの壮大な歴史絵巻をプロジェクションマッピングによって再現、大きな感動を与えた。 しかし、ロシア選手団が入場行進を始めると会場がざわついたようだった。スポーツ仲裁裁判所(CAS)が「ソチ五輪でロシアは国家的なドーピングを行った」というクロ裁定を下したにもかかわらず、IOC(国際オリンピック委員会)はロシア五輪委員会を資格停止とせず、出場の可否を各国際競技連盟(IF)の判断に委ねた。 その結果、陸上と重量挙げは原則として排