ちまたで「モンスターペアレント」という言い方がなされる。しかし、英語の原語を忠実に解釈すると「わが子を虐待する親」を意味する。つまり、元は「子にとってのモンスター」なのが、日本では「教員や学校にとってのモンスター」のように解されてしまったのである。 ともあれ、学校に無理難題を申し出る保護者が目立つようになり、ただでさえ多忙な教師たちの負担増に拍車をかけている。 とはいえ、保護者による苦情の中には、正当なものもある。体罰や不十分ないじめ対応など、明らかに学校や教師側の問題・ミスに対するクレームである。筆者が各地の教員研修でアンケートを実施した結果、「正当な苦情」は全体の6割から8割にも上った。近年、教師の非違行為が目立つようになったことも、そうした数字に影響しているかもしれない。むろん、これら「正当な苦情」への対応も教師の負担を増やすことになるが、もともとは学校側に非があったのだから仕方がな