「ところで、これからお話しする文章を注意深く聞いてください」──富山県立大学の下山勲学長は、3月18日に開催した同大学の学位記授与式の中でこのように宣言した。その後、以下の文章を読み上げた。 今日は私たちにとって大切な日です。この場を借りて皆さんがこの日を迎えるまで長い道のりを振り返り、皆さんがこれまで気付いてきた成果をたたえたいと思います。皆さんが通った道は、時には険しく、時には曲がりくねっていました。しかしその中で皆さんは、自分自身を見つめ、努力し、挑戦し続けました。その結果皆さんは今日、栄誉あるこの日を迎えることができました。心からおめでとうございます。 ここまで読み上げた後、下山学長は、この一連の文章は大規模言語AIサービス「ChatGPT」で「卒業式の式辞を作って」と入力して作成したものだと明かした。「卒業式の式辞をAIに手伝ってもらいたいと考え、この文章を生成した」と理由を話す