トヨタグループの「源流」、すなわちトヨタ自動車を生んだ企業が起こしたことから世間を騒がせている豊田自動織機の不正。対象はフォークリフトなどに搭載する産業車両用エンジンおよび自動車メーカーに納入するエンジンである。B to B(企業間取引)を中心とした製品であることもあって、不正の中身が複雑で分かりにくいという特徴がある。同社は一体、何をしたのか。10の疑問とその回答の形で解説する(図1)。 Q1:不正の中身は? フォークリフトおよび建設機械向けの[1]産業車両用エンジンと、[2]自動車用エンジンで不正が見つかった。このうち、[1]の産業車両用エンジンでは、エンジンの「劣化耐久試験」における法規違反と、排出ガスの規制値の超過が発覚した。道路運送車両法に基づく一酸化炭素等発散防止装置の装置型式指定(国内認証)の申請において義務付けられた試験だ。劣化耐久試験とは、エンジンを一定時間運転させて劣化
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