日本の土木は、本当に素晴らしい! 「魅せる土木」を提唱して執筆と講演を行っている、東京都市大学の吉川弘道名誉教授が、選りすぐりの写真やイラストで“土木の名場面”を綴った書籍『DISCOVER DOBOKU 土木が好きになる22の物語』を刊行した。その中で取り上げている土木構造物のなかから、土木技術のすごさと美しさを実感できる例として、余部鉄橋と揚水発電所を2回に分けて紹介する。(JBpress) (吉川弘道:東京都市大学名誉教授) ※本稿は『DISCOVER DOBOKU 土木が好きになる22の物語』(吉川弘道著、平凡社)より一部抜粋・再編集したものです。 赤色の鉄橋からコンクリート橋へ架け替え 日本海に面した谷あいに突如として現れる余部(あまるべ)鉄橋。赤色の鉄橋が凜々しい往時の風景を懐かしむ鉄道ファンは多い。明治45年(1912年)に建設されたJR山陰本線余部鉄橋(兵庫県香美町)は、当