木下百花というシンガーソングライターの存在がどういうものであるのか、それを言葉で定義づけるのは非常に難しい。元々はNMB48というアイドルグループのメンバーであったというバックグラウンドも含めて、前にも後にも似たものがいないし、木下百花自身、他の何者かに近づくというよりは、彼女自身の王道を歩み続けようとしているように思える。私は以前、彼女についてこう書いたことがあるーー「明快な形に自分を閉じ込めない淡い光のような存在感」と。この認識は今でも変わっていない。彼女は他者から照らされるスポットライトよりも、自分の内側から発する光で自分を照らし出そうとするし、彼女の作る音楽は、その柔らかに変容し続ける光の姿を、とても魅惑的な形で私たちに伝えてくれる。 そんな木下百花の新曲「悪い友達」がリリースされた。編曲まで木下自身で手掛けたというが、かなりいい曲だ。洗練されたメロウなフォルムの中にも、彼女らしい