加工誘起マルテンサイト(かこうゆうき~)[k10] 塑性変形や衝撃などの外力を加えられることで、オーステナイトや残留オーステナイトがマルテンサイトに変態したものをいいます。 SUS304などを引き抜き加工などの強い塑性加工すると磁気を帯びるという現象が見られることがあります。 これについては、オーステナイトは非磁性ですが加工変形を受けることによって強磁性のマルテンサイトが生成するため・・・と説明されています。 この生成したマルテンサイトを加工誘起マルテンサイトといいます。 オーステナイト系のステンレス鋼は、安定したオーステナイト状態であることで耐食性が保たれており、オーステナイト状態でない(磁気が生じた)状態では、耐食性や耐酸化性も低下します。 磁性を持つ状態にならないようにするには、できるだけ加工変形量を小さくして加工するかオーステナイトの安定性の高い鋼種を使用することで防止することが必