前回では,うつ病の判断基準やセルフチェックの方法,医療機関の選び方などについてふれました。それらの機関ではどのような治療が行われるのでしょうか。今回は,うつ病治療の実際について解説します。 うつ病の治療の基本は休養・薬物療法 うつ病と診断されたら,まず休養をとって過重労働から解放されることが不可欠です。ごく軽症の場合は,仕事を続けながらでも治療はできますが,そもそもうつ病になった原因の多くは仕事環境にあったりするので,やはり一定期間の休職を考えたほうがよいでしょう。 1〜3カ月間は休職し,ゆったりとした時間がもてる環境を整えます。具体的には,仕事関係を一切遮断するため,電子メールの自宅パソコンへの転送はストップしましょう。メールが常に読める状況では自宅療養の意味がなく,かえって焦りや不安を募らせるだけになってしまうからです。 なお自殺の危険性があるような重症の場合には,入院をしてもらうこと